第2のとびらへの案内はわたしがするわ。
これは、あなたたちの星で、よく見かける時計盤。
数のならびかた。
なんだか、あたりまえすぎてさえないわよね。
わたしたちは、
もっといいのをもってるわ。
これよ。
よーく。見て。
ならびかた、あなたたちのとはちがうけど、ここにもちゃんと1〜12の数字がならんでる。
これはね、いま、スゥーリィーの峡谷で超ホットな時計盤。
見つかったときは、みんなで、おおさわぎ。
なにが、どうすごいかっていうとね。
まずは、これを見て。
時計盤の中にセロス。
つまり、正三角形をおいてみるの。
いい? 三つの頂点数に注目して。
これをぜんぶ足してみると、
そう。13よ。
この数が、このとびらの鍵になるんだから、ちゃんとおぼえておいてよね。
ええ、なぜか13でわりきれる。
それが、この時計盤の秘めた大いなる謎。
いまのあなたにとっては13でわりきれようが、13でわりきれまいと、たいして気にもかけないかも知れないけど、わたしたちスゥーリィー族にとっては、一大事。
ええ、スゥーリィーなら、
こんな記号をつかって、
13は13でわりきれることをあらわす。
じゃあ、こんどはこれを見て。
時計盤の中のセロスをちょっとだけまわしてみるわ。
肝心なのは三つの頂点数よ。
26は13でわりきれる。つまり、
わたしのやりたいこと、
だんだん、わかってきた?
ええ、そうよ。
この二つのセロスの頂点数の総和だって、
この二つの数はさっきもでてきたわ。
どう?
ここまでくると、偶然じゃないって気がしてきた?
ま、この程度のことは、時計盤にとっては、どってことないことよ。もっともっと、超絶すごいんだから。
たとえば∙∙∙
そうね、頂点数を2乗してみようかしら。
ムチャなことするって思うでしょ。
でもね、しんぱはご無用ノ介。
これをぜんぶあわせたら、
わたしは、スゥーリィーだから、
91は13でわりきれるって直感でわかる。
ほかのどんな正三角形でやったって、
ちゃんとそうなるのよ。
ええ、ほかのどんな正三角形同士で、
やってもね。
ためしに、この二つをつかってやってみる?
ええ、二つのセロスをかけあわせるの。
どういうことかって?
かんたん、かんたん。
こんなようなことよ。
ええ、これで合成完了。
じゃあ、この総和をとってみるわ。
65は13でわりきれるかって?
いうまでもなくってよ。
あーら!
びっくりしておめめが
三角形になってるみたいだけど∙∙∙
ついでに、もっとビビらせてあげる。
正方形だってかまやしないのよ。
この四つの頂点数の総和も
ほら、ヤバくない?
ちゃんと13でわれる。
あ、さっきやったみたいに
2乗もやってみたい?
一つ一つ2乗した数を見ていくと、
で、これをぜーんぶ、あわせると、
キョトンとしてる? これ、ちゃんと13でわれるのよ。
なんだったら、ほかの正方形でも
やってみるといいわ。
それだとか、正方形同士を
かけあわせみたりだとか∙∙∙
わたしは、もう行かなきゃだけど、さいごのさいごにいちばんのきわめつけを教えてあげるわ。
わたしが気をうしなっちゃったやつ。
覚悟しておいて。
この時計盤のとなりあう5数の積をとっていくの。
こんなふうによ。わかるかしら。
これを5数が一周するまでつづけていくわ。
なんでこんなことを? そう思ってるでしょ。きかないでね。わたしだって、わけわかんない。でも、とにかく12個のとなりあう5数の積をつくるの。
ふーっ。でね。
この12個の5数の積をマーの呼吸で継ぐ。あ、そっかマーの呼吸とかいってもわかんないわよね。えっと∙∙∙。−と+でじゅんばんにつないでいくの。
見せたほうがはやいわね。こうよ。
これがどうなるか?
ひゃーん。とてもわたしの口からいえない∙∙∙
ヂロチにぶッとばされちゃう。