ヲォーンの小時計。
どーだった? おったまげただろ。
そーだ。イヒシの小時計のことも話しておかないと。忘れるところだった。
この小時計は、ぼくにとっても、いまだに謎だらけ。
あっ! 近づきすぎちゃだめっ。
気をつけないと、きみも0の世界に連れていかれちゃう。
いい? この小時計は0にもっていくのがとくい中のとくいなんだ。たとえば、この中の正三角形たち。
ほーら、ぜーんぶ、0だ。
ほいきた。正方形もだよ。
たいして、おどろかない?
1と–1と0の三種類の数しかないから、なんかできそうだって?
ゆ〜ね〜。
そりゃ、まあ、イヒシの小時計はたしかにパッと見、シンプルだけどさ∙∙∙。
じゃーこんなのも、きみにとっては地味?
盤面数を時計回りに、アーの呼吸で継いでも、マーの呼吸で継いでも、
うん。どちらも0。
かんたんそうに見えて、なかなかできるこっちゃないんだよ。
ふーん、って感じ?
ちぇっ、イヒシの小時計の真のすごさ、ほんのちょっとだけ見せてあげるか∙∙∙。
ヲォーンとイヒシがいっしょになったとき、
そう、ほんとにとんでもなくたぐいまれなることが∙∙∙
かけあわせるんだ。合成時計盤をつくるために。
ここで合成された12個の盤面数。
アーの呼吸で継いでも、
それどころか、マーの呼吸で継いでも
これでもまだあたりまえに見える? ううん、こんなのってイカれてる。みんな、そういってるよ。
おっと、だんだんマジになってきたね。え? そもそも、どーして、小時計っていうかって?
そりゃ、この時計たちが大時計から生まれたからさ。いってなかったけ?
ここだけの話、大時計って、ほんとはすごくおしゃべり好きなんだ。なんかあのときは、ある数にひみつがあるっていってたっけ∙∙∙。