さて、あらためてこれを見ていただきたい。
いうまでもなく、これは超格子体(6×6)の中の12–12相愛数である。まさに王座のごとき完璧なポジションどりで、12–12相愛数が存在するとすれば、唯一これのみ、といった風格さえ感ずる。
が、直感は真実を裏切りがち。じつはこれ以外にも12–12相愛数が超格子体(6×6)の中に潜んでいることを述べておかねばなるまい。
こればかりない。もう一種。
どうだろう。ここで見ている対称性はババロス/ババリスに比べ、いくぶん複雑である。
この新たな二種がどのように見出されたかというと、前章で述べた相思数を表現する以下の二種の形式から得られたもの。
そう。たんにババリス/ババム間、バラム/バロム間で互いに半分の数を交換(移項)しあうことによって再形成されたものである。それゆえ、二種のグループ内で重ね合わせを行うと、
当然ながら、この結果はそれぞれババリス+ババム、バラム+バロムとおなじものとなる。それゆえ、いま見ていることは、既出の事実を別の仕方で語り直しているにすぎない。時間の無駄ではないか、と思うかもしれない。けっして無駄ではない。さまざまな方角から光をあてなおすことによって、思わぬ知見がもたらされることがままある。今回はその好例としてとりあげられるべきケースであろう。
どういうことか。先の動画を注意深く見ていただいた者の中には気づかれた方もおられよう。わたしたちがここで着目すべきは新二種のうち、このバラバラ/バロバロ型。
なんと、これらの1~3乗数の総和は、ババロス/ババリスの生成するそれと完全一致。
この驚くべき事実から、また新たな一つの光景がもたらされる。
超格子体(6×6)の中の8–8相愛数。どのようにして、この位置が得られたかというと、ババリスとバラバラを組み合わせ、重複部分を相殺しただけ。むつかしいことはない。
この手法で得られるパターンにはもう一つあり、ババリスとバロバロを組ませることにより
このようにしても同様に8–8相愛数を得ることが約束される。
思いがけなくも、あらわれた二種の8–8相愛数。
ならべてみると、またもその簡潔な美にハッとさせられる。
超格子体の中に対称的に配置された四つの格子(2×2)。まるで相愛数というのは、わたしたちの目をを楽しませるためには存在してくれているかのようだ。ならば、ここでわたしたちの方でも遊び心を発揮するのが礼儀というもの。
超格子体の中で四つの格子(2×2)をこのようにずらしてみる。わたしの胸はなぜか騒ぐ。これらの形式もまた相愛数なのではないか、と。
どうだろう。今回は直感に身を委ねてラッキーだった。次章に向けての考察の材料としよう。