さて、わたしたちは3×3の超格子体が精緻な内部構造を持たされていることを見てきた。4×4の超格子体のそれとは異なるが、なにか、その秩序の形式に類似性があるようにも思われるのである。なにが似ていると感じさせるのだろうか? 

これらの力の根源はどこにあるのか?
あるいはこれらの力を統一的に表現できる方法、数学的アプローチがあるるとすれば、それはどのようなものになるのか?
問いは、つぎからつぎへと沸き立ってくる。

しかし、それらの問いに立ち向かうには、いまのわたしたちはあまりに無装備である。現時点でのわたしたちが問える問いはこうである。4×4の超格子体3×3の超格子体という二つの概念を知ったが、はたしてこのふたつの間には、どのような関係があるのだろうか、あるいは二つは独立した別個のものであり、それぞれ別々に取り扱わなくてはならないものなのだろうか?

いや、このような問いでさえ、わたしたちの手に余る。そもそも、「関係があるのだろうか?」といった種類の問いに仮定の式を立てることは困難である。それゆえ、ここでもわたしたちは対象物に対して、思いつくままでにあらゆることを試みてみる、という無鉄砲な策にうってでるしかない。なんでもいいのだ。超格子体に向かって、こちらの側からなんらかのアクションを起こすのである。

見つめる、ということも一つの重要なアクションである。まず、二つの超格子体を見つめ、気づくこと。それは4×4の超格子体が3×3の超格子体よりも大きいということである。あまりに自明であるため、あえて表明するまでもないことのように思われるが、とりあえず、この事実を足がかりにしたい。

ここで重要なことは、大きなものは小さなものを含みもつ、ということである。なにをいいたいのか? そう、4×4の格子体はその内部に3×3の格子体を含みもつということである。

わかるだろうか。4×4の格子体の中には、ごらんのとおり四つの3×3の格子体がおさまっているただ、ここでは格子体がブランクになっている。じつのところ、4×4の超格子体の内部にならんでいる数というのは、それが唯一のパターンというわけではない。超格子体のパターンは、驚くほどの自由度、密度を持たされて存在している。この事実の一端を以下の動画でわたしたちは確認した。

 


そうなのだ。主役は「」というよりは超格子体そのものの構造16個の場所に与えてられているそれぞれ同士の重層的な関係性、であることを思い出しておこう。その事実を踏まえた上で、わたしたちはこのような問いを発することを思いつく。4×4の超格子体で起こっているようなことは、3×3の超格子体でも起こりうるのではないか? つまり、超格子体内部の数的構成が変わっても、そこに内在している力は維持されるのではないだろうか、と。

たとえば、このような3×3格子体にもそのような力が潜在している可能性は?いったん問いが生まれれば、こちらが対象物に対して主導権を握っている。あとはためしてみるだけ。どのようなリアクションが返ってくるか見てみよう。

 


どうだろう。予想以上の、いや期待通りの返答ではないだろうか?
超格子体の外周にそって連続した1~3個の数の積をマーの呼吸で継ぐ。すると0になる。これは超格子体にとってきわめて重要な性質のように思われるため、わたしたちは後々のために「1~3連消失の法」と呼ぶことにしよう。つまり、わたしたちは、n×nの超格子体であるためには「1~3連消失の法」を満たしていなければならない、というような言い方を頻繁にするようになることが想定されるのである。

さて、3×3の超格子体の有している特質はほかにもあった。忘れてはならないのは、超格子体の内部の数たちがペアに分化し、それら同士が驚くべき共鳴力を発揮することであった。ならば、わたしたちは問いをぶつけてみてみないわけにはいかない。

 


まことに嬉しくなるような、事実である。
はたして鏡像ペアはどうだろう。

 


ここでためされているのは4×4の格子体の内部におさめられた3×3の超格子体の1パターンにすぎない。信じがたいことに、以下のどの3×3の超格子体でやっても驚くべき結果を得ることになる。ぜひ、やってみてほしい。

さて、さきほどわたしは、4×4超格子体のパターンは、驚くほどの自由度、密度を持たされて存在している、と述べた。たとえば、このようにすべての格子数に+1をほどこしても、4×4超格子体の構造の力は不変をたもつ

ならば、この新たな4×4超格子体の内部におさめられた3×3の超格子体も、おなじように構造力を維持できるだろうか?

その結果は以下の通りだ。

 


どうやら構造は盤石のようだ∙∙∙。
わたしたちは多少、大胆になって、つぎのようなこともこころみてもよいだろう。

 


想像以上。
なにもかもが想像以上である。

もはやわたしたちは3×3の超格子体の存在を疑いえない。それにしても「1~3連消失の法」とはいったい、なんなのだろう。なんのゆえあって、このような法則が存在せねばならないのだろう。直感的には、このような等式たちが同時にすべて0になるためには、ひじょうに繊細で微妙な数の配置を用意しなければならないように思われる。そも、この事実を知らなければ、そのような一連の等式を満たす解は存在しえないという見解に、わたしなどは自信をもって賭けるにちがいない。だが、数の世界の事実はじつに奇妙だ。以下の動画を見てほしい。「1~3連消失の法がいかに多様な数たちを椅子を用意しているか、その一端を感じてもらえると思う。