わたしたちは前章において渦周回格子体経由の6–6相愛数(❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎)の原型とでもいうべきものを見出すにいたった。
さて、コンパクト化のつぎにこころみるのは、円環化という操作である。
もうしあげておきたいことは、6–6相愛数の構成数をでたらめに円環状に配置すればよいというわけではないということ。なにより重要なのは円環をめぐらせる順序である。その理由というのは……
1乗2乗次元におけるマーの呼吸消失。円環六数が、じつにうまいならびになっていることが、この一つの現象とってみても理解していただけることと思う。
では、どうやってわたしが、これらの配置順序は知るにいたったか? 残念ながら試行錯誤である。いまのところ、この〝円環化〟への道筋は濃い霧の中に閉ざされている。まだ取り扱う数が六数だからよいものの、相愛数の構成数がふえるほど、その円環化はきわめて難儀なものになることが予想される。
が、とにかくも一度、手に入れてしまえばこちらのもの。
わたしたちは、この奇妙なるも驚異の極致ともえいる構造体を心ゆくまで堪能しつくすことができる。
あわてることはない。
相愛六数円環は逃げはしないのだ。ここはじっくりとテイスティングしてきたい。
二つの円環の間で起きている数々の共鳴現象。
シンプルなものから見てゆこう。
これが対角積総和共鳴と呼ばれるものであることはご存知だろう。まったく同じ現象は相愛四数でも起こりうることを以前にもわたしたちはたしかめている。
ここでは向かいあう数同士の二数の積の総和をとりあげているが、二数の位置関係はとなりあうもの同士でもかまわない。
この場合も❶と❷の円環は共鳴を引き起こす。
つづけよう。
ここでわたしたちは六数円環を小構造に分解する。
そう、用いるのは三角形。
このようなことをして大丈夫なのかと案ずる者もいるかもしれないが、まあ、そこで見物してくれたまえ。
どうだろう。
2連積総和が全三角形において共鳴。
小構造からしてこれである。
相愛六数の構造がいかに堅固かおしはかられるというもの。
さて、小構造の見せ所はここから。
さらに各三角形において三数積をとると、
パーフェクション。
三数積総和は❶と❷で、これまたピタリと共鳴するのである。
ここまで扱ってきたのは比較的シンプルな共鳴現象であるが、上級者向けとして次のようなものも取り上げておきたい。
相愛六数円環が回転合成することにより引き起こされる謎の共鳴。ちなみに三つの共鳴数をすべて合計すると2乗数になる。
この1922という数が何を意味するか?
そう、相愛六数円環の総和同士の積。
わたしとしてはそのように解釈したい。