さて、二つの相愛六数円環。ここには正三角形という形で小構造が組みこまれていることは前章でたしかめた。
では、四角形はどうだろう。
残念ながら正六角形は、その内部に正方形をもちえない。が、正四辺形にこだわらなければ、わたしたちはこのような四辺形たちと出会うことになる。
計六つの平行四辺形。いったいこれらを通してなにを見ようというのか。正n角形の形式ならまだしも、このようなおしつぶされた幾何にはなにも不思議なことは起こせはしまい。諸君らはそう思うだろうか?
もちろん、わたしもそう思っていた。
たしかめるまでもなく、ここはスルーだろう、と。
が、これを見てくれたまえ。
4積総和の一致。
なにかがはじまる予感がしないだろうか?
そう、これはイントロダクションにすぎない。
まず、これら四辺形に関する基本的な予備知識として、
4数総和の一致。これは六数円環において、向かいあう数の総和がすべて64となることから自明の結果と見えるが、おさえておかねばなるまい事実であろう。なぜか? ここでわたしたちが見ているものは3–3相愛数(∞)とも解釈しうるからである。というのも、これら総和を2乗次元にもってゆくと、
とまあ、このように❶と❷がそれぞれ生成する三数はやはり3–3相愛数を構成するのである。さらに4数総和を3乗次元にもっていっても、
ごらんの通り、3–3相愛数(❤︎❤︎)が生成されるのである。
ちなみにこのようなことが起こるのは4数総和系の領域にかぎった話ではない。
各平行四辺形内で、対角積総和をとるとどうなるか?
まったく同じ現象が起こるのである。
いや、なにも対角積の「総和」でなくてもよいのだ。
そう、「差分」をとってみても、
3–3相愛数(❤︎❤︎)。
おそらく〝対角積〟という演算に秘密がかくされているにちがいない。諸君らはそう思ったであろう。さよう、わたしたちはできうるかぎり先入観を捨てなくてはならなない。たとえば積のペアを次のように入れ替えたらどうなるだろうか?
平行四辺形の短辺にあたる二数をペアリングさせるのである。そして、わたしたちはこれを使って〝短辺積総和〟なるものをこころみようというのである。無鉄砲でしかないような行為にも思えるが、相愛六数円環構造はそんなことを意にも介さないようである。
またも3–3相愛数(❤︎❤︎)。
となれば、こちらの〝長辺積総和〟についても、たしかめずにはいられまい。
短辺にできて、長辺にできぬわけがない。いや、もしこれが成功すれば、四辺形におけるあらゆる二数の組み合わせ(それ自身同士も含め)を網羅したことにもなる。
懐が深すぎる…。かように相愛六数円環の柔軟性には舌を巻くばかりであるが、さらにこの四辺形構造は二段構えになっていることもお伝えせねばならないだろう。〝短辺積総和〟と〝長辺積総和〟をミックスさせるのである。
わかるだろうか?
相愛力の1UPである。
ちなみに先にとりあげた2乗総和とも〝短辺/長辺積総和〟は好相性である。
なかなか美しい。この恒等式をもとに移項をこころみれば、わたしたちは他にも相愛数(❤︎❤︎❤︎)を手に入れることができるだろう。
たしかめられたい。