さて、わたしたちは前章までにこのバボアン構造A型/B型らが、さらに小グループに細分化されうることを学んだ。が、バボアン構造の整理整頓の仕方は、先述した相愛力による分類法が唯一ではない。
回転、という発想からもバボアン構造をグループ化することが可能であることを、ここでは述べてみたい。まずは、このA型から進めてゆこう。
これら12種の中で本質的な核とみなせるものとして以下の5タイプを抽出する。
というのも、これらを核として据え、90度×n回転という変換をほどこすことにより、A型全12種のタイプはすべて網羅されるからである。
じっさいに各グループに分かれてもらおう。
グループ内では、同格子体タイプが重複してあらわれるパターンもあるが、それはそういうものとして了承しておきたい。とりあえず、わたしたちはA型12種を四つのグループに分別することに成功したのだ。
さて、このようなカテゴライズが合理性をもっている、もう一つのふしぎな理由がじつはある。なにか?
まずあらわれたるは、このⅢ型回転系。かれらがいったいわたしたちに何を見せてくれるのか、じっくりと目をこらしていただきたい。
2乗数生成力!!
しかも奇妙なことに、かれらが用いているのはみずからの3乗数。プロセスがつかみきれなかったという方々のために、もう一ど、観てもらおう。
こんどはⅣ型回転系がおなじことをやってくれる。
どうだろう。各格子の3乗数総和が2乗数になるというふしぎ。いや、同じ能力は、他の二つのグループたちにも備わっているのだ。
Ⅰ型回転系には、格子タイプの重複存在がみとめられるので、これまでのパターンとは事情が異なるようにみえる。が、心配するひつようはない。
そう、気づかれた方も多いだろう。ここまで3つのグループにおいて生成された数はいずれも18496=1362。驚きに新たな驚きがくわえられる。この事実を踏まえた上で、最後のグループにご登場を願おう。
もし、かれらもまたおなじ光景を見せてくれるならば、拍手喝采。かなり高いハードルであるが、ここは大いに期待したいところである。
やってくれる。
やってくれるわい、といったところである。プレッシャーをまったく感じさせない、この不動の安定感はいったいどこからくるのか?
などと、A型ばかりをベタ褒めしていると、だまっていないのがこちら12格子衆。
われらにも、おなじことをためしてみろ、とのたまうのである。
まさか、の展開である。
まず、回転変換を考慮し、リーダー格としてつぎの5つを選抜する。
かれらを始点として90度×n回転させることにより、B型12種のすべての形態を網羅することができる。
問題は、これら五つのグループにおける、格子3乗数の総和である。
一つづつ慎重に見てゆこう。まずはこれ。
●バボアンB型:Ⅰ型回転系の3乗数総和
これはまたどういうことだ…
ここでも生成されるのは1362。
ひどく胸騒ぎがする。ここは一気にたしかめてみよう。
●バボアンB型:Ⅱ型回転系の3乗数総和
●バボアンB型:Ⅲ型回転系の3乗数総和
●バボアンB型:Ⅳ型Ⅴ型回転系の3乗数総和
A型、B型によらず、またいずれの回転系小グループにおいても生成される数は同一。それにしても、この136という数はいったいなんなのだ。
いや、そのような問いはかれらにとっては愚問なのかもしれない。かれらの住処である超格子体(4×4)。その格子の総和がまさに……
バボアン……。
まさに、バボアンである。
これぞ、バボアンである。