前章でわたしたちはこれらバボアン構造には、それに内包される小構造があることをマテオロスを通してたしかめた。いわゆるバボアン細胞(3×3)と呼ばれるものであるが、それは格子体(4×4)の中に次のように含まれる。
この章では、このバボアン細胞(3×3)に関する基本事項について述べておきたい。
まずは、A型から見てゆく。
さて、バボアン細胞(3×3)には、この❶❹を選ぼう。
なぜ、この二つをピックアップしたのか、理由はすぐにわかる。
特殊な顕微鏡を使って、A型の12種のバボアン小格子に含まれる小細胞❶と小細胞❹を覗いてみるとこんな光景が広がるだろう。
なにが起きているか、わかるだろうか?
じっくりと眺めてほしい。
小細胞❶にあらわれる12種のパターン(柄)も、小細胞❹にあらわれる12種のパターン(柄)も、適切に並べ替えてやれば、
そのとおり。
それぞれ、まったく同じパターン(柄)を生み出していることがわかる。
偶然なのか?
B型でもやってみよう。
これら12種のバボアンの中に内包されるバボアン細胞(3×3)を浮かびあがらせると、
そして奇妙なことに、ここでも小細胞❶と小細胞❹の間にはパターン(柄)を共有するペアが存在する。
この種のペアリングは小細胞❶-小細胞❹間だけでなく、小細胞❷-小細胞❸間でも行われる。
A型の12種のバボアンにおける小細胞❷と小細胞❸はこうだ。
パターン(柄)に注目してソートすれば、
同じくB型についても、
これらは並べ替えることによって、ペア化が図られる。
いや、バボアン小細胞❶-❹とバボアン小細胞❷-❸を二つ並べてみると、さらに気づくことがある。
どうだろう。両者がつくりだしているパターン(柄)を見くらべてみたまえ。ここでは色(カラー)の交換が行われているものの、本質的にバボアン細胞❶-❹と❷-❸にあらわれる構造は同一。
またこのように二分されるグループ間では〝鏡像〟という対称性を通して、すべての小細胞たちが結びつきを得ているようでもある。
おそるべし、バボアン。
その構造の深みにわたしたちは完全にハマりつつある。