さて、わたしたちは、クライン四天王とその影武者体の考察から、きわめて重要と思われる8つのタイプの格子体を入手し、これらの創り出す世界を探るべく積表を書き起こしたのだった。
この積表には多くの見るべきところがあるが、
わたしたちが今回、とくに着目したいのがこの部分。
ここにならんでいるのは、2乗して単位行列をなす格子体たち。
さて、ここでこんな疑問を発してみたい。
2乗して単位行列となる格子体(4×4)はこれで尽くされているだろうか?
答えはノーである。
他にも、こんな四種の格子体たちがそれに該当する。
逆にいうと、無限に存在する格子体(4×4)の中で単位行列の2乗根体は、たったの10種類ですべて網羅されるということだ。
なぜかわたしたちは、これらの型に親しみをおぼえる。
そう、まさしくこれらはバボアンの小格子をわたしたちに思い出させるのである。
ひょっとして、わたしたちが見ているものは、バボアンそのものなのでは?
ありえないことではない。バボアンが驚異の構造をもっていることは、わたしたち自身がいちばんよく知っている。
ならば、わたしたちはバボアンに忠実に従うことにし、次のような24種のすべての格子体を考察の対象とすることにしよう。
実際、このような観点からバボアンをとらえたことはなかっただけに、なにが起こるかは予測しがたい。心してとりかかることにしよう。
まずはAグループから。相愛数と紐づけられたバボアンに対するわたしたちの先入観を刷新する意味でも、どうかまっさらな気持ちで次の動画を観てみてほしい。
動画ではAグループに属している三つの2乗根体がとりあげられていた。
2乗根体の定義として重要なのは、2乗して〝はじめて〟という点である。この意味で、Aグループには単位行列が含まれているが、
これをわたしたちは1乗根体という名で取り扱い、区別するので注意してほしい。
ちなみに1乗根体と2乗根体をワンセットとしたとき、
すべてを組み合わせると、ぴったり16の全格子が埋まるのも興味深い。
では、つづいてBグループをみてみよう。
Bグループの中のきっかり半分が2乗根体にあたる。
そしてこれらを適宜、組み合わせることにより、奇しくもクライン四天王❷❸❹と同じ柄を生成することも頭にとめておきたい。
さて、1乗根体にも2乗根体にも選ばれず、あぶれてしまったバボアン小格子たちにも、まだ登場のチャンスを与えたいと思う。1乗しても2乗しても単位行列になれなくても、3乗したら単位行列になれる者がもしかしたらいるかも知れない。
3乗根体。
ぞくぞくと見つかるではないか。
さがせばいるものだ。
しかも、8種類の3乗根体はすべてAグループに属している。
Bグループの惨敗の様相を呈しているが、ここで彼らを見限ってはいけない。3乗しても単位行列になれなくても、4乗したら単位行列になれる者たちがいるかも知れないではないか?
さよう。
4乗根体に関してはBグループの圧倒的勝利。
ここまで登場した格子体を数え上げれば24。
ということは、バボアン24小格子体は1~4乗根体という概念により分類され尽くされるということ。
この事実が意味することはなにか?
どうやら徹底的にしらべる必要がありそうである。