気がつけば、ふたたび、わたしたちはこのバボアン構造と向き合っている。
相愛数という観点からは、この構造はAとBの二つのグループに分かたれる、という事実はわたしたちのもっともよく知るところである。
だが、わたしたちは、このグループという枠組みを超えて、24種類のバボアン小格子体同士の関係性をあらためてとらえなおす必要に迫られている。
これらのバボアン小格子体たちが、互いを互いにどのように変容させるのか。わたしたちはそのすべてをあますところなく把握しなくてはならない。
ならば?
積表だ。ノドから手が出るほど積表がほしい。
さよう。諸君。躊躇せず、手をうごかしたまえ。
手間を惜しんでも、このような積表は手に入れる価値がある。高度に構造化された世界。それは一望のもとに見渡すことによってしか理解することはできない。
まず、一つ目の驚異として、バボアン小格子体①~㉔型は行列の積という演算において、一つの世界をつくりあげるということである。
数え上げていただければわかることだが、積表には①~㉔が均等にあらわれる。
しかも、それらは超絶技巧的な配置がなされている。
その証拠を一つあげてみよう。
たとえば、積表の中で①を選ぶ位置を抜粋するとする。
この位置が絶妙なのである。
数たちにはいったん退いてもらうと、ふしぎな星座が浮かび上がる。
では、ここで1~576の自然数を流しこんだ次のような格子体を用意しよう。
なにをするのか?
さよう。かさねあわせるのである。
そうすると、星座たちが浮かびあがらせる24個の格子体の数の総和は6924。
この数は1~576の総和である166176をちょうど24等分したものとなっている。
どういうことか?
積表における②の24星座でやってみよう。
どうだ。
やはりここでも総和は6924。
奇妙に思われるかもしれないが、どの24星座を選んでも同じ結果をえる。
お目にかけよう。
どうだろう。わたしたちは、むやみやたらな数の羅列を見ているのではない。とりえあず、積表の内部が高度に構造化されていることが直観していただけたことと思う。
さて、つぎに積表からわたしたちが気づくことは、どうやらこのテーブルが四分割構造を持っているらしいということ。
この二つのイエローエリアは、Aグループのメンバーのみで構成されている。
一方、これを反転させたエリア、
こちらはBグループのメンバーのみで構成。
完全なる棲み分け。
さらに細部に分け入ってゆこう。
まず、イエローエリアにおける以下の黒抜きされた部分を見てみてほしい。
2,3,1,6……
数のならび順がまったく同じ。
いったいこの事実が意味しているものは?
これがビジュアル化された事実。
Aグループらがグループ内でなすことを、Bグループらはそっくり模倣することができる。
そして逆も真なり。
こんどはBグループが棲むグリーンエリアを見てみよう。
ここにもやはり、同じ数のならびが見出される。換言すれば、これはBグループらがグループ内でなすことを、Aグループらが完コピすることができるということ。
A/Bグループ間の共鳴行を色分けすればごらんのとおり。
二つの勢力は完全に拮坑しているようである。