この恒等式は、シャカ紀元550年のビッラマーナで発見されたものとされており、いままさにわたしたちが探し求めているものそのものである。
ブラフマグプタなる賢者に感謝し、ありがたく拝借したい。さっそくだがa,b,c,dに1,2,3,4を入れて、なにが起きるかみてみよう。
どうだろう。
超格子体(4×4)上に思いがけない相愛数ポジションが浮上してきた。
そうなのだ。まさかである。
超格子体(4×4)の中から突如、出現した新たな4–4相愛数(❤︎❤︎❤︎)。可能なかぎり、わたしたちは思い込みを捨てなくてはならないという教訓をここでも得たというわけである。
が、この二つ。
まったく同格に扱うわけにはいかない事情がある。どういうことか。まずはこれを見てほしい。
なんと超格子体の内部の格子数を一つずらしても、奇数を流しこんでも4–4相愛力(❤︎❤︎❤︎)は維持される。これは従来のⅠ型の相愛数にも本来そなわっている力だ。
そして、このⅠ型には、さらなる力が宿されている。それはあらゆる超格子体(n×n)に対応できる柔軟性。
そう、Ⅰ型はあらゆる拡張超格子体における相愛数の絶対的ポジションなのである。ところが、Ⅱ型にはここまでの万能力はそなわっていない。たとえば、
どうだろう。
2乗総和以降は不一致。この一つの事実をもって、この形式が絶対的ポジションでないことが判明する。つまり、このⅡ型の相愛力(❤︎❤︎❤︎)は超格子体(4×4)という限定された場所だけで機能する。
それぞれ力の及ぶ範囲の異なる二つの相愛数型ではあるが、これらを合成させるとまた新たな知見が得られる。
どうだろう。
6–6相愛数(❤︎❤︎❤︎)。Ⅱ型の発見にともなう、うれしい副産物である。
※注)この章で述べられているⅡ型については、後に同族のタイプが他に7種、発見されている。それらは一括して非正則型相愛数として扱われることになる。章は前後するが、こちらを参照してみてほしい。