さて、マテサンドの法に一応のケリをつけた。
小休止といきたいところだが、このあたりで正負反転体について、あらためて考察をくわえてみたい。
これから述べることは、いまさらながらの重要事項。もっと早く言ってくれよ、とツッこまれてしまいそうだが、許してほしい。わたしたちが〝アダマール積〟という道具を充分に使いこなせるようなる、このタイミングを待っていたのである。
正負反転体とアダマール積?
なんの関係が?
まずは、このような格子体からはじめよう。
全格子オール1である。
この格子体に正負反転柄を衣せると、
さて、ここではブルーとピンクをどちらもあえて正数として表記している。今回、わたしたちが知りたいのは、正負反転体の総和の絶対値。それをわかりやすく、ブルーの格子の総和とピンクの格子の総和の差分数として解釈しなおすため、これでよしとされたい。じっさいこの16種類のグループ格子総和差分数はこうなる。
わかるだろうか?
基準❶型をのぞき、各格子体はブルーの個数と、ピンクの個数が同じ。ブルー/ピンクのそれぞれの格子総和は同数(8)となる。つまり差分は生じない。
いや、諸君らをバカにしているわけではない。
辛抱してくれたまえ。ここから少しづつ、不思議な領域に入ってゆく。
そう、ここで❶型~⓰型の差分数の総和をとってみよう。
16。
もちろん、これは42とも表現できる。
が、わたしたちはこの数をあえて4乗数としてとらえたい。
なぜか?
次に、この格子体に登場してもらうことにしよう。
われらがプレーン超格子体。
これに正負反転柄を衣せる。
これらのブルー/ピンク間グループ格子総和差分数はこうだ。
❷型~⓰型の中で差分数が0になるものは、オール1格子体よりも少なくなった。また差分が生じる❺❻❾❿型については、それらの差分数はすべて2の累乗数になっていることも注意をひかれる。いや、より興味深いのはこれらの差分数の全総和。
256。
これも28とも162とも表現できるが、やはり4乗数としてあらわせる。あるいは、先のオール1格子体との関係性でいうと、
なかなか美しい。
正負反転体総和絶対値恒等式の一つ目である。
さて、次にわたしたちが選ぶのは、こちらのゲバール(4×4)。
正負反転柄を衣ていただく
ブルー/ピンク間グループ格子総和差分数はというと、
そして知りたいのは、これら16種類の差分数の全総和。
おや、256。
ついさっき見たばかりではなかったか!?
ちなみにゲバールに関しては、これを2乗数と見るのもアリだ。
さよう。ゲバールといえば2乗数生成力。
16個の数の1乗総和が16の2乗数を生成。
この力は次元を超えて発揮されつづけることを示しておきたい。
これ以降も、あらゆるn乗総和において2乗数を生成。
いや、遡って、0乗次元においてさえも。
完ペキな整合性。
が、この章ではこれっきり2乗数生成力には退場していただくことにしよう。そう、わたしたちがいま関心を絞るべきは4乗数生成力。
というわけで、話をもとにもどそう。
プレーン超格子体とゲバールの相性の良さは、この恒等式だけからも充分にうかがえる。
というわけで、いっそのこと、この二つをかけあわせてしまいたい。
ベストカップルから何が生まれるか?
生まれてしまったのは……
合成格子体ゲバゴン。
見た目は、…けっして醜悪とは言うまい。
いや、ゲバゴンよ。
自信をもて。
きみは正統な血筋をひいている。
両親から引き継ぐべきものをちゃんと引き継いでいる。
いや、おそらくはその祖父母からも……
ぼくはそんなんじゃないって?
ならば、これを衣てもらおう。
太古より受け継がれし16種類の正負反転柄。
思い出すんだ、ゲバゴン。
さあ、グループ間総和差分をとってみるんだ!!
差分が0になるものは、たった一つ❷型のみ……。
なるほど、差分数のあらわれ方は、世代を経て、さらに多様になるというわけか。
が、ゲバゴンよ。
肩を落とす前に、これらバラバラにしか見えない数たちをひともとにあつめ、総和をとってごらん。
4乗数!!!!
それはきみのルーツから発せられる力。
きみと、きみを生み出した存在たちとは奇跡的な恒等式でつながっている。
おめでとう、ゲバゴン。