前章でわたしたちはきわめて重要と思われる構造と出会った。
これまで見逃していたことは、奇しくもゲバール(4×4)もこの構造を有していたということ。
今回は、この積表構造を踏まえた上で、ゲバール(4×4)をゲバール(8×8)へと一挙2倍サイズに拡幅したいと思っているのだが、いかがだろう。
そのために第一行と第一列には、このように数をセットする。
あとは積表の要領で、一つ一つブランクを埋めてゆく。
さて、ゲバール(8×8)は行列の積を用いて、以下のように生成することもできる。積表を経由して得られたものと同一物であることをその目でたしかめてみてほしい。
また当然のことながら、ゲバール(8×8)の中には、つぎのようなかたちでゲバール(4×4)が内包されていることもあわせて確認しておくとよいだろう。
ゲバールの外観の最大の特徴としては、積表構造を持つがゆえに、対角線上に2乗数があらわれるということである。
この対角線領域はゲバールの2乗数生成力の源といってもよい。ゲバールと2乗数の浅からぬ関係については、過去にもひつこく述べさせていただいたが、サイズアップによりその力はさらにもましてパワーアップする。
どういうことか?
まずは、この動画を見ていただきたい。
●ゲバール(8×8)の内包格子(2×2)と2乗数
対角上に存する七つの内包格子(2×2)の格子内総和はすべて2乗数。いや、なにも内包格子(2×2)だけに限った話ではない。ひきつづいて、以下の事実をチェックしてみてほしい。
●ゲバール(8×8)の内包格子(3×3)と2乗数
●ゲバール(8×8)の内包格子(4×4)と2乗数
これ以降の内包格子(5×5)についても同等の力がたしかめられる。
ここに生成されるのは15の2乗数。諸君らの中にはこの〝15〟という数がどこから来るのか気になっている者もいるだろう。
二つの15は第一行と第一列に起因しているということも述べておこう。よくわからない? 対角内包格子(5×5)を一つ下にずらそう。
2乗数の礎となる20という数の由来を示すと、
この事実は内包格子のサイズに左右されない。
内包格子(5×5)→内包格子(6×6)にサイズアップしても、
そう、格子内の総和は第一行と第一列の数に還元される。
ゲバールの構造の旨さには舌を巻くばかりであるが、これはまだ序章にすぎない。