前章にひきつづき、ゲバール内部の格子(2×2)について。わたしたちは、これまでは核子体をメインに、乗数生成力を通し、その構造の秘密を探ってきた。

注意せねばならないことは、明らかにした性質が核子体がゆえの固有のものなのか、そうでないかである。この章では、ゲバール内包格子(2×2)すべてについて通用する規則について見てゆきたい。

 

ゲバール(4×4)には、ご覧のように内包格子(2×2)が9個

ここでは核子体とその他の格子は区別しない。同等に扱う。まず、これらすべての格子の数の配列には共通則がある。これを見てほしい。

どういうことかわかるだろうか?
四つの格子数ぐるりと一巡するとき、4番目の格子数は、それまでに通過する3数のヴュー呼吸(÷×÷)によって規定される。この規則の適用は核子体に限定されない

どうだろう。ぜひ、他の格子についてもたしかめてほしい。あるいは、この事実は以前に紹介した対角積消失現象のいいかえともいえる。

おなじ事実であっても表現の仕方で別物に見える、という好例であろう。


さて、肩ならしはすんだ。ここからが今回の本題である。
そもそもゲバールは二つの行列の積から生み出されたものだ。ここで、ふたたびわたしたちは行列(matrix)の積という演算に注目する。

二つの格子(2×2)を行列とみなし、それらの積をとるとこのようになる。なかなか骨の折れる作業である。現代に生きるわたしたちは下記のような便利な計算サイトを活用したい。

 

https://keisan.casio.jp/exec/system/1308269580

 

では、ここまで述べられれた事実を踏まえた上で、つぎの三つの動画を見てもらいたい。

 

動画では、三つの核子体のそれぞれの行列2乗体が明らかにされている。興味深いのは、そこで生まれた新たな格子体はもとの行列の単純な整数倍になっているということ。つまり、本質的な構造は行列の積によっても変わらないという奇妙な事実。

核子体以外の内包格子体についても、まったくおなじことがいえる。

ここで生成された行列2乗体をよく見てほしい。

行列2乗体の各格子数はもともとの格子数の8倍したものとなっている。ちなみにこの8という数は、

このように解釈してもらってさしつかえない。左上から右下に流れるこの対角線はゲバール(4×4)においては核子体の位置に相当する点でも大変、注目に値する。

さて、おなじ行列同士を行列の積でかけあわせた結果がもとの行列の単純な整数倍になるということは、起こりそうに見えるかもしれないが、そうそうないことであることは強調しておきたい。

 

この等式にあてはまるを探そうとしてもけっして見つけることはできないはずだ。つまり、ゲバール内包格子の格子数の構成が特別なのである。いや、行列2乗体というのはおそらく全景の一部にすぎないのであろう。積の対象となる行列を回転させてみよう。

 

こうして得られた格子は三者三様である。

が、これらをじっと見つめてゆくと、いや、煮詰めてゆくといった方よいだろうか、その本質的構造はゲバール内包格子(2×2)のいずれかの構成に還元されるのである。

行列の積を通して、かわされる内包格子たちの奇怪なコミュニーケーション。この全貌の解明にわたしたちは早々に着手すべきであろう。

この9種の格子たちの回転体(0度回転も含む)、あるいはその反転体(裏返し)。そこからどのような二つを選んでもかまわないピックアップされた、それら二格子の行列の積は、おそらく9種の格子たちの回転体、あるいはその反転体の構造に還元されることが予想される。