さて、ひきつづき、謎多きマテサンドの法に挑んでゆく。
この法の適用対象となる格子体。
わたしたちは、当然のごとくそれらをマテオロス系にかぎってきた。
が、それはわたしたちの思いこみにすぎなかったのではあるまいか。
マテサンドの法は、あるいは他の多くの格子体たちに門戸を開いているのではないか。
この法の主張に賛同する格子体たちをどのように探せばよいのか。
そのようなことを可能にする数学的手法は、少なくともいまのわたしたちの手元にはない。
ならば、むしろ事は簡単。
手当たり次第に手持ちの格子体をこの法にブツけるのみだ。
というわけで、われらがゲバールの登場である。
いきなり、エース級をブツける。
いや、根拠なしにゲバールに頼っているわけではない。n乗体構造不変の法との親和性から考えて、ここでゲバールを持ってくるのはベストな選択である、と思う。
一抹の不安はあるが、とにかくやってみよう。
じっくり見守ってくれたまえ。
さすがである。
ゲバールである。
ここは手をゆるめずに一気にせめたてよう。
なにをするのか。
ゲバールの正負反転体ファミリーである。
正負反転体❷型から見てゆく。
前章で見たことを思い出しておきたい。
プレーン超格子体をマテオロス正負反転体❷型ではさむと、
そう、めざましいことが起こった。
全格子0消失現象。
ゲバール正負反転体❷型で同じことをこころみるとなにが起こるか?
まさかとは思うが……。
さすがである。
ゲバールである。
が、意外というべきか、結論からいうと全格子0消失現象を引き起こすのはこの❷型のみである。以下、結果を一覧しておくと、
となれば、特異な位置に置かれているこの❷型の存在意味をさらに問わなくてはならない。
さよう、ほかでもない。
これは、マリス/タリス型。
格子体(4×4)が相愛力を発現させる基本フォルムである。
それゆえ、❷型における0消失現象は大変に気にかかる。が、いまは脇道に逸れている的余裕がない。先にマテサンドの法にあらわれるサンド固有定数の謎をやっつけてしまおう。