わたしたちは、ゲボーの拡張に果敢にも挑戦することにする。
拡張の方向性は、いくつか考えられるが、ここでは「格子体の空間上の広がり」を意味するものとす。具体的には、合成(3×3)超格子体ゲボーを超えて、合成(4×4)超格子体ゲボーの存在の可能性を模索しようというのである。
そもそも、合成(3×3)超格子体ゲボーがどのようにつくられていたか、ここでおさらいしておきたい。
ひとめでわかってもらえると思う。ホリゾンタル(よこ方向)とバーチカル(たて方向)の融合。ここで行われている合成はそういうことだ。ならば、この手法を敷衍して、4×4のゲボー体はこのようにしてつくられるとは考えられまいか。
迷わず、進めよう。
この演算を実行すると、以下のような格子体が生まれることになる。
仮にこれがわたしたちの求めるゲボー体だとして…。この合成超格子体がその名に値する超絶的な構造を持っているか、それが問題なのである。それをたしかめるには、全積周回による2乗数生成能力をしらべるのが、もっとも手っ取り早い。やってみよう。
思わず、にんまりとしたくなる結果ではないか!!
いや、ここは慎重を期すにこしたことはない。マーの呼吸→アーの呼吸の変換によっても、2乗数生成能力ゆらぎが生じないこともたしかめておきたい。
イケた…。心がひとりでに走り出す。きっとこれはゲボーにちがいあるまい。
とりあえず、仮認定を与えておこう。
さて、いままで、ふれてこなかったが、合成超格子体ゲボーには、もう一種、別のパターンが存在している。行列の積は順序を変えると、異なる結果が得られる、という現象を想い出してもらいたい。
ここで積の順を、バーチカル(たて方向)× ホリゾンタル(よこ方向)に入れ替えると、
意外な結果に眉をひそめた御仁もおられるのでは? 30のオン・パレード。ちなみに、この30という数は1~4までの2乗数の総和と解釈される。
ともあれ、こうしてわたしたちは二種のゲボー体候補を手にすることができた。
さて、このいたってシンプルな外見をもつ合成超格子体。このBA型のゲボー(仮)においても、これまで見てきた2乗数生成能力が生得的に埋め込まれていることに、わたしたちは気づかずにはいられない。どういうことか?
もちろん、マーの呼吸→アーの呼吸の変換によっても、
あたりまえのように見えるかも知れない。が、ほんとうにそうだろうか。AB型のゲボーと考え合わせると、その驚愕の整合性に刮目しないわけにはいかない。
この驚きをもって本章をしめくくりたいところではあるが、到底、ここで話を終えることはできない。なぜというに、合成超格子体の2乗数生成能力に関しては、わたしたちはまだほんの一端を垣間見ているにすぎない。どうかこれを見てくれたまえ。
四つのブロックの全積によって生成された四つの数たち。それをおのおの2乗してマーの呼吸で継ぐ。それもまた、なぜか2乗数。この現象はかつての合成3×3超格子体ゲボーにおいても目にした事実だ。
マーの呼吸→アーの呼吸の変換をこころみてみよう。
やはり、2乗数。なぜか、2乗数。ゲボーのゲボーたる所以がいかんなく発揮されている、といったところであろう。
さらに、四つの各ブロックの全積数に3乗を課してみることにする。
マーの呼吸→アーの呼吸の変換によっても、
どうだろう。2乗数生成能力の強靭さは、とどまることを知らない。なんとあれば、このあと、ひきつづき4乗、5乗、6乗……と、こころみてもらってもかまわない。そこで諸君らが得るのは、かならずや2乗数であろう。そして、この事実はAB型のみならず、BA型の合成超格子体においても同様にいいうることであろう。
なぜなのか?
その問いは、いまとなっては無意味だ。
なぜなら、それがゲボーなのだ。