さて、前章の話のつづきをしたい。
ふりかえってみよう。
わたしたちはこのような超格子体とその転置行列を用いて、
このような行列の積を実行したのであった。そして、これら二種の合成体の全格子は2乗総和のみにおいて共鳴する。
この事実を踏まえた上で、今回はa.b.c.dに次のような数をわりあてたい。
これまで以上にシンプル。
使われている数は1と2のみ。
例にならって、これらを行列の積で合成してみると、
この構成を違える二つの合成体において、2乗数の総和が一致するというのが、わたしたちの見出したことであった。
問題ない。生成された数は、ともに100。
すっきりときもちのいい数である。
が、ここでもう一つ重要なことがある。
それはこの数が2乗数であるということ。
そう、10の2乗数。
じつは、この10という数は、
このような対角列の総和と解釈できるのである。
こじつけではないかって?
まあ、待っていただきたい。
お次は4乗総和をごらんいただきたい。
ここに生成されている二数は、奇妙なことにまたも2乗数なのである。
して、これらベースとなっている68、50という数の正体というのが、
このように格子体の各対角列を用いて簡潔に表現できるのである。つまり、
まだ、首をかしげている諸君には6乗総和もお見せしよう。
ここでも2乗数が生成されている。
して、この520、250は格子体の対角列を使って、
ちなみに、この領域では全格子偶数乗総和はかならず2乗数となることが約束されており、統一的に次のように主張することができるだろう。
さて、この話はよりサイズの大きい格子体に拡張しうる。
これを行列の積によって合成すれば、
ご記憶の方もおられようかと思う。いま見ているもののうち、一つはなつかしの超格子体ゲボー(3×3)にほかならない。
このゲボー(3×3)が2乗数生成力に長けていることは、数章に分けて論じさせていただいたが、奇しくもここでもわたしたちは2乗数と格闘せられている。
そう、ゲボー(3×3)には、対となるもう一つの格子体が存在し、それはすべて14という数から構成されている。そして、二つは2乗次元で共鳴する。
このベースとなる42という数の正体というのが、まさに、
対角列の総和。
2乗数におけるこの調和力。
ゲボーのゲボーたるゆえんである。
では、この絶妙のバランスがさらに高次の世界でも維持されているかチェックしておこう。そう、4乗総和がどうなっているか、見てみたい。
対角列の軸はブレていない。
6乗総和はどうだ?
気になる方は8乗総和、10乗総和……としらべてみてもらってかまわない。生成される数たちは対角列をベースに構成されることは永遠の果てまで約束されよう。
展望が開けかけている。
さらに超格子体のサイズを広げたい。
この二つの格子体を使って、なにをしたいか。
生成されたのはゲボー(4×4)と、その双対。
全格子数の2乗数総和をしらべてみると、
一致、かつ、2乗数。
問題は、この120という数の中身。もう諸君らは、この数がどのように構成されているか、わかるはずだ。
ご名答。
つづけて4乗数総和についても整合性がとれているか見てみたい。
対角列軸は崩れていない。
6乗数総和は?
気づけば、2乗数のオンパレード。
またしても、わたしたち。
ゲボーの掌中というわけである。