ひじょうに手間はかかったが、ともかくも、アダマール行列４乗根体の全貌をつかむことに成功した。
ならば、前章の冒頭でも述べたように、これからやるべきことはただ一つ。３乗根体らにもその目に合っていただいたように、これら総勢192体のアダマール行列４乗根体を正負反転体を用いてもれなく分類しきりたい。そんな大胆な作戦なのである。
どこから攻めるべきか？
どうせ、ぜんぶやるのだ。どこからだってかまやしない。
というわけで、４乗根体(+)から、まずはこの格子体を選んでみた。
はたして正負反転体❶～⓰型の変換力をこの４乗根体の領域でも信じてよいものか？
正直、不安しかない。
おや!?
うまくいったのでは??
正負反転体❶～⓰型とのアダマール積合成格子体はいずれも、
この二つのうち、どちらかの等式を満たす。
幸先がいい。これで一つ目のグループが確定。
ちなみに大変興味深いことではあるが、グループの構成員のどれを選んでも、それを代表元にして変換される16個の格子体は、やはり同一のグループを構成することが約束されるようである。たとえば……
この格子体は、先のものとは異なり４乗根体(–)に属しているが、これに正負反転体をかけあわせても、
どうだろう。
動画の中で、なにが起こっていたかというと、
ここで生成されている16個の変換格子体は、並び順は変わっているものの、先に得られた16個の変換格子体を置換したものであることがたしかめられるはずだ。
なぜこうも正負反転体❶～⓰型が、アダマール行列n乗根体に対してうまく働くのかはまったくもって謎であるが、とっちらかったものをキレイに分類してくれるのであれば何の文句はない。ありがたく使用させていただくのみである。
