さて、前章では4–4相愛数❤︎❤︎❤︎ポジションらを〝平行移動〟という観点から分類をこころみた。
この章ではガラリと趣向を変えてみる。そう、ここでは思い切って倒立、つまり〝180度回転〟という観点をもちこむことにする。
どういうことか?
まずは正則型を見ていただきたい。
わかるだろうか。この型については〝180度回転〟変換しても、元のかたちと見た目的にまったく区別がつかない、というきわめて強い性質を持っている。
さすがはマリス/タリス型。
さすがは正則の位置を占めるだけのことはある、と手放しで褒めそやしたくなるが、じつは非正則型にも同様の性質を有しているものがいる。しかも2種。どうだろう。諸君らに探し当てることができるだろうか。
その通り。
一つは孤高の❺型。
そして、いま一つは、
と、ごらんのとおり、これら二つは〝180度回転〟変換に対して不変の構造を有している。
では、これ以外の❶❷❸❹❼❽型は〝180度回転〟変換させるとどうなるか?
そう、ちょっと面白いことが起こるのである。
なにが起こっていたか。
さよう、非正則型の中には〝180度回転〟変換ペアというべきものが三組、存在している。
どうだろう。〝平行移動〟変換→〝180度回転〟変換と操作を変えることによって、わたしたちはまた異なる仕方で非正則型全8種を分類しなおすことができるというわけである。
さて、これをもってこの章をしめくくりたいところであるが、非正則型の〝180度回転〟変換ペアについてはちょっと気にかかることがあるので、そのことについても述べておきたい。
たとえば、この❸型と❹型のペアを例にとろう。
このうちの一つの❹型を180度回転変換する。
すると、わたしたちはこのような変換格子体を得ることができる。
これと❸型を足し合わせると、
格子数はすべて17で統一される。それゆえ、この4–4相愛数❤︎❤︎❤︎ポジションが有する相愛力はMAX∞にまで高められることになる。
あるいは、❸型と180度回転❹型の差をとれば、
奇妙に思えるかもしれないが、このような操作を経ても、
相愛力❤︎❤︎❤︎はキープされる。いや、これらの事実は自明であるのでさして騒ぎ立てることもない。わたしの気にかかっていることはそのようなことではない。不思議な現象は二つの格子体の積をとることによって起こるのだ!!
この積の定義に従って、❸型と180度回転❹型の積をとってみると、
4–4相愛数❤︎❤︎❤︎ポジションに注目してほしい。
それぞれの総和は一致。2乗総和以降は一致しないので、相愛力に換算すると❤︎どまりなのであるが、それでもこのような1乗次元の共鳴はすこしも自明なことのように思えない。
これに類する現象は他の〝180度回転〟変換ペアたちの間にも見出されるようである。
❶型と❷型でやってみよう。
一つをこのように180度回転変換して、二つの格子体の積をとる。
ピンクとブルーと格子数の総和はそれぞれこうなる。
❼型と❽型のペアの間でも、
いや、あるいは、ここで取り上げなかったこれら三種の一匹狼系についても、
自らを複製しペア化を図るとする。
これらの積の結果、ブルーとピンク領域の総和が共鳴するか。どうか、その手でたしかめてみてほしい。少なくとも180度回転という操作が、まったくもって侮れない操作であることは痛感していただけることと思う。
次章では、4–4相愛数❤︎❤︎❤︎ポジションにおける、まったく別様の仕方での180度回転変換をこころみたいと考えている。そう、超対称時計盤(16)の再登板である。