さて、前章にひきつづき、気になるこちらのマテオロス虚数体。
今回は、バボアン細胞(3×3)構造について調べてみようと思う。
そのために用いるのはこの特殊フィルター。
前にも使用したので、取り扱いについては、すでにおわかりのことと思うが念のため。
このようにフィルターを上から被せることによって、バボアンを(4×4)→(3×3)にサイズダウンさせるというのが狙いだ。というわけで、さっそくやってみよう。
さて、ここで生成されている数は、バボアン細胞(3×3)内部における総和である。複素数がまじっているので、やっかいだが、整理してならべなおすとこのようになる。
パッと見ただけでは、これらが相愛数であるかさえわからない。
諸君らはどう思う?
相愛力は❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎。
以前にマテオロス型(a=2)のバボアン細胞でたしかめたこととまったく同様のことがここでも起こっているようである。
総和→総積に変えるとどうなるか?
これらも整理してならべなおしてみよう。
わかるだろうか?
生成数は同構成。
グループ間における完全共鳴。
あるいは2乗総和の領域においても、
ここでも二つのグループ間では完全共鳴が引き起こされる。
まったくもって唸らざるをえない。
いや、マテオロス虚数体の構造の精妙さは、さらに3乗総和の領域でも発揮される。
生成数をひととおり見回してほしい。
かるくデジャビュをおぼえる。
そうなのだ。
ここで見ている生成数を適切にならべかえると、
最初に見た1乗総和で生成されたものとまったく同じセットとなる。が、ここで感心させられるのは、1乗総和と3乗総和で対応する各バボアン小格子で、かならずしも同じ数が生成されるというわけではないということ。一例を挙げると、
わかるだろうか?
バボアン小格子が1乗総和において複素数をなす場合、3乗総和では生成数はその共役複素数になるのだ。実数aを生成するバボアン小格子について、その生成数をa+0iととらえれば、あらゆるバボアン24小格子において共役化がはかられていると考えることもできる。
マテオロス虚数体に内在している対称性をさらに引き出そう。
今度、わたしたちが使うのはこのフィルター(透過されている領域が変わっていることに気づかれたい)。ではこれを用いて、バボアン細胞(3×3)構造をしらべてみることにする。
1乗総和による相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎の発現。
が、見逃してはならないのは、ここにあらわれる生成数のセットが、先に見たものと同一になっているということだ。
ということは2乗総和や3乗総和も先に倣うということだ。
フィルターを取り替える。
これを使用しても、わたしたちはまた同じ生成数のセットを得ることができるだろうか?
相愛力は❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎。
が、生成数はこれまでのものと微妙にちがうようだ。
そう、ここでは正負の反転が行われている。
先に見た共役複素数というのが、複素平面上では実軸に関する対称移動であるのに対し、いま見ているのは虚軸に対する対称移動といえる。対称性の入れ替えがこれほどはっきりとあらわれる事実を、わたしたちはどう受けとめるべきか。
もう一枚、このフィルターが残っていた。
ここでどのような生成数のセットがあらわれれば、全体としての整合性がとれるか、ぜひ思いをめぐらしつつご覧いただきたい。
どうだろう。
期待にそえただろうか。
複素数などの登場で今回はかなりややこしかった。
最後にこの章で得られたことを複素平面上にビジュアライズすれば、
このように相愛数を位置としてプロットしてみたところで、新たな知見がもたらされるかどうかはわからない。が、その対称構造を把握する意味ではある程度は有益だろう。