この二色に二分された格子体が32–32相愛数(L5)を表現するものであることを理解した上で、この紋様が有している驚異なまでの精巧な構造について明らかにしてゆきたい。
まずは連結格子体の中から次のような格子たちを抜粋する。
×型と◇型。配置されている色も対称的で、わたしたちの心をぐいとつかんでくる。が、これがどうした、と? 戯れに興じてこんなことをしていると思われるやもしれないが、そうではない。これらはれっきとした相愛数。
16–16相愛数(L3)である。32–32相愛数の強度5の力には及ばないものの、それでも十分にわたしたちの目を楽しませてくれる。じつはこの強度レベル3の16–16相愛数は、この格子体(8×8)の中にまだまだ多く身を潜ませている。(ここではマリス/タリス連結格子体としての二色紋様はいったん忘れてほしい)
動画を観て、わかっていただけたと思うが、これら4種の16–16相愛数はいずれもマリス/タリス型、あるいはマリス/タリスの分離型として潜在している。
わたしたちの目の前にあらわれたのは、これらの垂直方向と水平方向による奇妙な二分割紋様。マリス/タリス連結格子体とは異なるが、やはり、ここにも心惹かれる何かがある。考察を深めたい。
この垂直方向に二分割されたもの同士、2乗総和の差分をとってみることにする。
ここではそれぞれの格子体から赤のセットを選んだが、別にグリーンのセットを選んでもかまわない。2乗総和は一致しているので、差分として求められる結果はおなじである。重要なことはここで得られた数が2の累乗数であるということ。偶然だろうか? こんどはこちらの水平パターンを見てみよう。
こんどはグリーンのセットをチョイスする。
どうだろう。2乗数総和の差分はいずれも2に還元され尽くしてしまう。奇妙な話だ。
ついでである。
3乗総和の差分についてもやってみよう。
これが垂直方向の系であり、水平方向の系は、
どうだろう。いわくいいがたいが、積の形式になにかうっすらと構造化された仕組みが垣間見える。あるいは、
上記の事実を統合して、このような等式として表現してみてもいいかもしれない。お気づきの方もおられるだろう。そうなのだ。先の2乗次元においてもまったく同じ等式が成立する。
つまりは、
またも霧中にさまよいこんでしまった感があるが、混乱させてしまったらお許しいただきたい。主旨としては超格子体(8×8)自体に複雑な多重構造が組み込まれているということを伝えたかったまでである。
あらためてマリス/タリス連結格子体(8×8)に立ち帰ろう。
ここでわたしたちが新たに観察対象としたいのは、この内包格子体(6×6)。
このように連結格子体の一部を切り取ると、その印象はガラリと変わる。
見てのとおりに、この内包格子体(6×6)はピンク格子18個、ブルー格子18個と格子全体を二分する構成をもっている。念のためいっておくと、それら18個同士の格子数は、単純な総和は一致するものの、2乗次元以降の総和は不一致。
では、見るべきものはなにもないではないか、ということ勿れ。わたしたちが注目するのは2乗数総和の差分である。とにかく、これを見ていただきたい。
ここで生成された784という数。
これまでも数多く目にしてきた謎の2乗数生成力。この力が発現されるべくして発現していることは、他の内包格子体にも同様の力を有していることからして疑いようのないことのようである。
これらの二色化された各グループにおいて2乗総和差分をとってみると、
全内包格子体に及ぶ、この整合性には舌を巻くしかない。これらすべてのことを可能ならしめる内部構造をもっていると理解した上で、あらためて本体のマリス/タリス連結格子体(8×8)を眺めていただきたい。
めまいしかない。
完璧という言葉を用いるのはあまりに月並みである。