さて、前章までにわたしたちがこころみたこと。
そう。この二つのマテオン完全体にバボアンを適用したら、どうなるか?
わたしたちの興味の対象はまさにそこだ。
ウォーミングアップとして、すでに四積についてはたしかめた。本腰を入れてゆこう。いよいよ、わたしちは、n乗総和系に着手する。
まず、ごく基本的なことからはじめよう。
〝マテ完(アー)〟の1乗総和のバボアン構造。
ごくあたりまえの景色が広がっている。各格子ブロックは、すべて同じ数から構成されるので、A型とB型の間では相愛力∞が働いていることは自明。もっといえば、〝マテ完(アー)〟の場合、1乗総和であろうと、2乗総和であろうと、3乗総和であろうと……、あらゆるn乗総和について、相愛力∞が約束される。
意味のない主張に思えるかもしれないが、おさえておきたい基本事項である。さて、問題は、もう一方の〝マテ完(マー)〟である。これにバボアンを適用し、1乗総和をとってみると、
ごらんのとおり、出現する24個の数は、バラける。重複している数も見受けられるが、それでもA型とB型の間では共有されている数が存在していないことはすぐにたしかめられる。
ならば、わたしたちは、これら二つのグループの間に相愛力が働いているのか見当をつけるのはむつかしいだろう。仮に、これらが12–12相愛数を構成しているにせよ、その相愛力レベルまでピタリと言い当てられる人物などそうはいないだろう。そう、実際にその手でたしかめてみなければ……
どうだろう。
動画では相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎が示されていた。思い出してほしい。これはプレーン超格子体の2乗総和における相愛力に匹敵する。
いや、じつは〝マテ完(マー)〟はそれ以上に値するだろう。5乗次元以降も、7乗、9乗、11乗とあらゆる奇数乗次元において相愛力は発現する。
どうして、このようなことが起こるのか?
両グループの数の構成をよくよく観察すれば、腑に落ちる。
見ての通り、正数と負数のバランスがとれているので、奇数乗においてはこれら各ブロックは相殺されて0に消失する。なかなかよくできている、と唸らざるをえない。
さて、これよりさらにうまいことがバボアン2乗総和の次元で起きている。
わかるだろうか?
両グループにおける数の構成はまったくおなじ。
つまり、ここでわたしたちが見ているのは無限の相愛力である。
また、構成数のかたちに注目すると、ここにあらわれる数は36と100と164のたった三つだけ。これらの数が興味深いのは、
このような関係でむすばれており、また三数同士の差分はいずれも2の累乗数になるということがたしかめられるのである。
ここにいかなる必然性があるのか、現時点では解明できていないが、〝マテ完(マー)〟の構造の盤石性を示す事実の一つとして、とりあえずファイリングしておきたい。
話をもどそう。ここで重要なことはバボアン1乗総和とくらべ、バボアン2乗総和次元の方が相愛力がUPしているということである。これまでも数多くの格子体を見てきたが、このような現象にはお目にかかった記憶がない。
となると、バボアン3乗総和次元が気にかかる。
相愛力は❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎。いや、くわえ、7乗以降の奇数乗についても相愛力は発揮される。そう、バボアン1乗総和次元とまったく同一の力がここには働いていると考えられる。
ちなみに6乗総和について相愛力は破れているものの、この領域がまったく無風というわけではない。たとえば、こんなことをこころみよう。
先の1乗総和で見た12–12相愛数とならべ、それぞれに6乗総和の不一致量、つまり差分をしらべてみることにする。
この二つの数。
驚くべきことに、一方は一方でわりきれる。
しかも、それは意味ありげに4乗数なのである。かように思いがけぬ場所においても構造の盤石性を随所に匂わせるところが〝マテ完(マー)〟の侮れぬところだ。
最後に〝マテ完(アー)〟〝マテ完(マー)〟そしてプレーン超格子体について、バボアン相愛力を比較したものを一覧できるようにしておいた。ぜひ、これを参考に規則性を見出してみてほしい。