ここまでのところを整理しておきたい。
わたしたちはこれらの三つの格子体、及び、その正負反転体にバボアンを適用したのだった。
驚くべきはバボアンを経由して得られる12–12相愛数が所有している相愛力。
三つの格子体、及び、その正負反転体が発現させる相愛力は上記の3パターンのいずれかに従う。そこには明白な規則性が観察される。
なぜか?
それはわからない。
が、一つだけいえることがあるとしら、
一見すると、個別の原理によって構成されているように映るこれら3種の格子体だが、じつはこの背後にあるのは、たった一つの共通の骨格。
どういうことか?
まずはこれを見ていただきたい。
各格子体の内部構成を規定しているのは、これらの列と行に坐する数たちである。ゲバールからたしかめてゆきたい。
どうだろう。ゲバールの第二行の三つの格子がそれらが属する両端の行と列に座する格子数の積で形成されているが見てとれる。おなじく第三行、第四行の三つのブランクもおなじ原理で埋めてゆくことができる。
まるで積表をつくっているかのよう。
そう、マテオロス(5×5)内包格子体(4×4)を統べているのも、この意外ともいえるくらいシンプルな原理である。
コツをつかんでいただけたと思う。
マテオロス(6×6)内包格子体(4×4)の内部構造はどうなっているかというと、
これらマテオロス内包格子体に共通する骨格を代数的に表現すれば、
ゲバールについても、本質的には骨組は同一。両者は0度/180度回転体の関係にある。
さて、問題は、このa.b.cにはどんな数をあてはめてもよいのか、ということである。大丈夫だ、というのがわたしの立場である。大丈夫だ、の意は、a.b.cにどのような数を入れても、その格子体(正負反転体を含む)は相愛力∞か、❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎のいずれかを発現するということと理解していただきたい。
たとえば、格子体のベースとして、このような奇数を用いてみることにする。
これらを積表と解して、内部のブランクを埋めて格子体を完成させると、
さらに、これらに16種類の正負反転柄を衣せるとどうなるか?
さて、知りたいのは❶~⓰型の一つ一つにバボアンを適用したときの12–12相愛数の相愛力の強さである。手間暇惜しまずに調べあげると、信じがたいような光景がわたしたちを待ち受けている。
おわかりだろうか? 一つの例外なく、相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎。
ゲバールで起きたこととまったく同じことがこの領域でも起きている。
これ以上ない結果を手にしているという実感がある。
では、ここでもう少し羽目を外し、このようなことを考えよう。
第一行の奇数を自然数に交換。
このようなベースを前提として、格子体を構成すると、
いままで取り上げた格子体は〝対称行列〟という構成をもっていたが、ここで得られたものは対角線に対し非対称である。それゆえ、これまでとは異なった相愛力があらわれると、予想して当然であろう。さっそく、これら正負反転体16種類について、バボアンを適用してみたい。
結果だけを示そう。
❶~⓰型において、そしてあらゆる1~n乗総和において相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎。
おお。はからずもわたしたちは何かを見つけてしまったようだ……