さて、想像以上に手強いマテオロス。かれらの世界でいったい何が起きているのか、その全体像をつかむための本格的調査にいよいよわたしたちは乗り出そうとしている。
関係性の相関図。
わたしたちが手に入れたいのはまさにそれだ。
どうすれば入手できる?
手間を厭わずに、一つ一つ潰してゆくあるのみ。
方針を具体的に説明しよう。
たとえば❶型を積の先頭にすえれば、わたしたちはつぎのような結果を得るだろう。
とりあえず、相関図の作成において、わたしたちは中身の数は消去し、パターン(柄)にだけこだわることとしたい。つまり、
わかるだろうか?
この場合、❶×❷と❶×❽は本質的に異なる格子体であるが、骨組(構造)にだけ着目し同一物として扱うということである。
その上で、わたしたちはそれらの結果をこの積表に埋めてゆく。
50年以上も前であれば、これは気の遠くなるような作業であったはずだが、現代のコンピュータの計算機能を味方につければ、チョチョイのチョイであろう。
壮観である。
これがわたしたちのほしかった、マテオロス全16種の積表。
さて、まず諸君らはなにに気づく?
わたしの目を引いたのは、0がふられた箇所が多いということ。
これは、マテオロス型同士の積の結果が0行列を生成するということを意味している。全256マスのうち、数え上げると、ちょうど半分の128個がこの0に該当する。
のこりの128個のマス目にどんな数が埋められているか、詳細に見てゆくこととしよう。まず❶を探してみると、この8つの箇所。
128個中8箇所ということはピッタリ1/16。もしかすると、16種のマテオロス型はこの積表における陣地を平等に分け合っているのかもしれない。
しかり。
すべてのマテオロス型を16色で色分けしよう。
いずれのマテオロス型もこの積表中、8個づつ存在している。そして、それらはでたらめに点在しているというわけではないらしく、各行、各列において同数(2個づつ)配置されていることもたしかめられる。
巧妙であると感心せざるをえないが、気づくことはそればかりではない。
水平方向の〝行〟に注目すると、0の配置ポジションには二通りのパターンしかないことがわかる。
積表の〝行〟をならべかえると、
もし、0がほんとうに空であり、もしこれがテトリスならば、長ブロックがストンと落ちてすべてが消失、そんな光景が広がるにちがいない。
(ちなみに積表における行と列の位置はこれが絶対というわけではない。わたしたちは便宜的に各マテオロス型に1~16の番号をふっているが、はっきりいってその割り当てに根拠はない。もしかすると、行と列を並べなおすことによって、積表に美しい対称性があらわれる、ということも可能性としては大いにある。というかある)
もとの積表にもどろう。
ふたたび、観察を続行する。
各行をスキャンしてゆくと、わたしたちはまったく同一の配列があることに気づきもするだろう。
いや、なにも第1行と第8行だけではない。
そう、同じ配列はちょうど行において2どづつあらわれる。
いや、なにも〝行〟だけではなく〝列〟においても、
第1列と第7列。この二つの列における関係性にもう少し踏みこんでゆきたい。そのためにはパターン(柄)にくわえ、格子数の構成も含め、詳しく見てゆく必要がある。
なにをこころみるのか?
とりあえず、これを見てくれたまえ。
わかるだろうか。第1列と第7列においてマテオロス型❶型を生成する箇所は各列で2つづつあるが、それらのクロス関係にある位置は、格子数を加味した上でもまったく同一の格子体を生成している。このことは❶型のみならず、他のマテオロス型の生成についてもいえる。
クロスの位置関係に同一のマテオロス型があらわれている。
たんなる偶然なのか?
おなじことを〝行〟においてもこころみたい。
各行にあらわれる同色のペアの関係をしらべてゆくと、
ごらんのとおり、マテオロス❶型らが互いの手を交差させることによって握手をかわしているのが見てとれる。同様にマテオロス❽型についても、
さて、マテオロス❺型と❾型については、すこし勝手が異なる。
そう、ここではペアとなるべき格子体において、正負の反転現象が起こっている。別の言い方をすれば、クロス関係にあるマテオロス型を+でつなぐと消失が引き起こされるということ。
この観点で解釈しなおせば、先述の数々の完全一致現象についてはクロス関係にあるマテオロス型を-(+でなく)でつなぐと消失が引き起こされる、と表現しなおすこともできる。
つまり、積表にあらわれる16種のマテオロス型の一つ一つに、アヌ(+)かマヌ(-)によってつなぐことにより0消失するペアが存在するのではないか、という仮説を提起したいのである。まだすべてを調べたわけではないが、わたしにはどうしてもこの積表が0に消失したがっているように見えてしかたがない。
マテオロス世界の全体像をつかむには、一人力ではどうにもならないところがある。
応援を待ちたい。