マテオロス型全16種。
わたしたちは、これらにバボアンというフィルターをかけて、そこに何があわらわれるかを見たのだった。
両者の異なる対称性があいまってもなお、いやあいまってこそ現出する共通の景色。わたしたちは、さらにその光景の向こう側をめざしたい。
なにをするのか?
バボアンといえば相愛力。
相愛力といえば四数総和。
やりかたを忘れてしまった?
なに、前章における四積において×→+に置き換えればよいだけの話。
たとえば❶型でやってみよう。
よく見てほしい。そして、なにが起こったかに気づいてほしい。いや、バボアンの各グループにおいて生成される数を小さい順にならべるとすぐにわかるはずだ。
そう。グループを構成する数たちはまったく同一。
両グループ間では相愛力∞がはたらいているのである。
マテオロス型とバボアンの相性のよさは、これで決定的といってもよいだろう。
いやいや、まだわたしたちは❶型をたしかめおえたにすぎないではないか。
残る15種についても、同様のことが起こっているとはかぎらないではないか?
もっともである。
たしかにすべてのマテオロス型において相愛力∞がはたらいているわけではないようなのである。
❸型において相愛力は❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎。
いや、7乗以降も奇数乗においては両者ともに0共鳴を引き起こすことが観察されるのである。
ごらんのように各グループの12数は異なる数たちから構成されている。にもかかわらず、累乗総和の系において共鳴を引き起こすという事実は、わたしたちの目には巨大なインパクトがある。❶型の自明ともいえる相愛力∞とくらべても、まったくひけをとってはいない、そんな印象。
さて、この相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎。じつは、バボアンによってこのレベルの力がひきだされるマテオロス型はこの中にあと三つ秘められている。
諸君らに問おう。
三つすべてをピタリ的中せよ、とは言うまい。あてずっぽでもよいのである。諸君らとマテオロス型との相性を占う上でも、ぜひ、予想を立ててから、以下の動画を見てもらうが一興であると思う。
どうだろう。選ばれた、これら3種のマテオロス型。そして、❸型を含め、ここで生成される四数総和はすべて下記に示された構成をもつことになる。
この四つの型については、のちにさらなる検討をくわえるとして、残す11個のマテオロス型をやっつけてしまおう。
結論から言ってしまうと、これら残りのマテオロス型の相愛力はいずれも∞となる。つまり、マテオロス型は、バボアン四数総和により、有限の相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎か、無限の相愛力のいずれかを引き出されることが約束されるのである。
念のため示しておくと、
❷型については、
❶型のときと同じように、両グループで生成数の構成は一致する。
❺❻❾❿型については、まとめて見た方がよいだろう。
お気づきだろうか?
グループ構成数は❺❻❾❿型において共有されている。
このような異マテオロス型でのグループ構成数の共有は他にも、❼❽型間と⓭⓮⓯⓰型間においても起こっているようである。
さあ、これで一通りのことは済んだ。
概観してみよう。とくにわたしたちが気にかかるのは、例外的に相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎を選ぶ❸❹⓫⓬型である。
先にも見たようにこれらバボアン四数総和においてグループ構成数を共有している。
さて、ここでバボアン対称性に関して重要なことを述べておきたい。取り上げるのは⓫⓬型である。
ごらんのとおり、これらは90度回転変換関係にある。バボアンにとってはこのような変換はまったく意に介さない、ということを見てゆこう。
ある格子体(4×4)と、その90度回転変換体を用意しよう。それぞれのバボアン四数総和をしらべると、このようになる。
2種の格子体で異なる四数総和を生成しているように見えるかもしれないが、けっしてそうではない。イエロー組を適切にならべかえると、
さよう。よくよくみると、両者はまったく同じ構成となっていることがわかる。このことはグリーン組についても言えることであり、別の言い方をするならグリーン組の中のバボアン小格子は自らの90度回転変換体を自らの所属するグリーン組の中に有しているということである。
このような事情があるゆえ、⓫⓬型のみならず、0度/90度回転変換体の関係にあるマテオロス型らはバボアン構造における四数総和、あるいは四数総積においてまったく同じ数を生成することが約束されるのである。
とはいえ、これですべて説明がつくわけでない。❸型と❹型は0度/90度回転変換体の関係にないにもかかわらず、グループ構成数を共有しているという事実がある。
まあ、そんあこともあるものさ、と軽く流すこともできる。
偶然の産物にすぎないのだと。
が、ここに一つの奇妙な事実をお伝えせねばならない。ここに見ている❸❹⓫⓬型の結束は、わたしたちの想像以上に強固なものであるやもしれないのである。
どういうことか?
前々章でわたしたちが入手したマテオロス型の積表をふたたびここに広げよう。
ここでわたしたちは❸❹⓫⓬型の関係のみにフォーカスすることにする。そのためには❸❹⓫⓬型以外のものにはいったん消えてもらうことにする。
どうだろう。
このことの意味がおわかりか?
❸❹⓫⓬型は行列の積の世界において、他のマテオロス型を必要としない独立体制を敷いているのである。
はたして、このミニ積表がわたしたちに何を伝えようとしているのか?
この事実と相愛力に何らかのつながりの糸があるのか?
謎である。