さて、今回もひきつづきマテオロス型が、いかにバボアンとの相性が抜群であるかということを見てゆきたい。
また、ここで取り上げるのは、バボアン構造に関するまったく新しいトピックであり、この構造体に対する見方が刷新されるであろうきわめて重要な内容を含んでいるので、どうか心して聴かれたい。
〝バボアンに内包される小細胞も、またバボアン〟
いささか謎めいた言葉であるが、今回、お伝えしたいことを端的に言うとするとそういうことになる。どういうことか? さっそくだが、このような格子体フィルターを用意させていただいた。
これはバボアン構造の一部を見えなくさせるために開発された特殊なフィルムを使って製造されている、とでも思ってほしい。たとえば、バボアンの一つにこれを被せてみよう。
わかるだろうか?
格子の一部分が隠されて、実質、格子体が4×4→3×3のサイズに縮小された。
では、このフィルターをバボアン全24種に適用するとどうなるか?
こんなことをして大丈夫なのか?
まあ、見ていてくれたまえ。ここで気づくべきことは本来、四つのバボアン小格子から構成されるバボアンは、フィルターで切り取られてしまったがゆえ、三つのバボアン小格子、あるいは二つのバボアン小格子への構成といった不均等な状態に置かれてしまったということである。
そら、全然、大丈夫ではないではないか?
バボアンが可哀想だ。はやくもとの姿に戻してやりたまえ、と憤る者もいるやも知れぬが、ちょっと待っていただきたい。
バボアンにとって、こんなことは痛くもかゆくもない。
この超格子体を使って、そのことを少しづつ見てゆこう。
まずはバボアン小格子ら間で積をとってみる。
ここに生成されている数は、一見してバラけていることがわかる。
各グループで小さい順にならべてみると、
もはや、グループ間で共鳴を引き起こすことはないであろう、と即断してはならない。それぞれの総和をとると、
ごらんのとおりである。残念ながら2乗総和は一致しないものの、その差分は2の累乗数(29)になる。そう、バボアンは一部を切り取られてもなお、その構造は完全には死に絶えていないのである。いや、それどころか……
総積→総和に変換すれば、
二つのグループで生成される数の構成はおなじ。
つまり相愛力は無限大。
あるいは各バボアン小格子数を2乗してから総和をとると、
このようにすると、二つのグループの数の構成は互いに違えることになろう。
二つのグループにおいて、これらの数の総和が一致するのは驚くべきことではないだろうか?
いや、2乗総和も一致。
つまり、ここでは相愛力❤︎❤︎が観察されるのである。
と、ここまでは前フリである。
これとおなじことをマテオロス型にこころみるとどうなるか、というのがこの章の趣意である。
この❶型でやってみよう。
これにバボアン(3×3)フィルターを適用すると、
グループごと生成数を小さい順にならべると、
構成は同じ。相愛力は無限大。
プレーン超格子体のときと同じことが起こっている。
では、総積はどうだろう。
なんとここでも両グループで構成を同じくするようだ。
この時点でマテオロス型のバボアンの相性は、プレーン超格子体とのそれを超えたことになる。なんといっても総和によっても総積によっても相愛力∞を発現させるのである。
といって、多くのものはいまだ煙に巻かれたような気分であるかもしれぬ。同一構成の数のグループを二つならべて相愛力が無限大と主張されてもピンとこない。正直、そう言いたいのであろう。
ならば、こんどは❸型を選ぼう。
正数と負数がいりまじることにより、❶型にくらべるとより複雑な対称性が添加されている。はたして、このマテオロス型にバボアン(3×3)フィルターを適用するとどうなるか?
相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎。
さよう。自明ではない、計算してみてはじめてそれと知る驚き。わたしたちがほしかったのは、そういう驚きだ。
ちなみに総積はどうなっているかというと、
グループ構成数は同一。
なぜ、こうも相愛力∞が発現されるのかは不明だ。
さらに2乗総和においても、
やはり、この場合も、
では、最後にここまでの事実をヒントに3乗総和がどのようなどのような光景をわたしたちに見せてくれるか、ぜひ予想していただきたい。
なぜ、こうなるのか?
わかっていることはただ一つ。
〝バボアンに内包される小細胞も、またバボアン〟