ここまで見てきてもおわかりのように、このマテ完(マー)のもつ能力の中で格子体界随一と思われるのが、その内包格子体にまですみずみにまで及ぶ〝構造復元力〟である。その代表例としては、
この等式の意味するところは、マテ完(マー)においては自らに自らをいくらかけあわせても、その骨組みをみじんも変えないということ。忘れがちではあるが、おなじ能力はマテ完(アー)においてもみとめられる。
いや、じつのところこの彼らの有している〝構造復元力〟とでもいうべきパワーは、この程度のものではない。さらに凄まじいのである。
今回はそのきわめつけともいえるマテ完(マー)による〝マテサンドの法〟という秘技をご紹介したいと思う。まずはとっかかりとして、こちらの動画をみてもらうこととしよう。
さてここに取り出したるは、われらがプレーン超格子体。
マテ完(マー)とこの超格子体がなにをなしていたか、一つの式であらわせば、
ここで見ているものは〝構造復元力〟以外のなにものでもない。
さらに驚くべきは、積の順をブロックで入れ替えることにより、
さよう。
マテ完(アー)があらわれるのである。
これほどまでに美しい結果がもたらされるのは、マテ完(マー)の力もさることながら、プレーン超格子体が関与しているからだ。そのように思う者もいるだろう。まあ、一理ある。
が、おなじことをこの渦周回型格子体でやってみたい。
どういうことだ。
ここでも〝構造復元力〟が発揮されているではないか。
さて、ここでマテ完(マー)と関与させる格子体(4×4)をXとおこう。すると、わたしたちが見ているのはこういうことだ。
さて、行列の積に関していえば結合法則というものがあり、積をこのようにまとめることも許される。
どういうことかというと、X×Xを先んじて計算してしまって、それをマテ完(マー)で両側からはさむ。つまり、
だんだんと〝マテサンドの法〟の形に近づいてきた。さて、諸君らはこう訊ねたいだろう。「この等式を満たすような格子体Xにはどのような条件が課せられているのであろうか」と。
それに対する答えはこうだ。
「条件などありはしない。すべての格子体(4×4)にその資格がある」と。
どういうことか。
あなたがたは好き勝手に格子体(4×4)をでっちあげていい。
ためしにa~pに自由に数をわりあててみてほしい。
わたしとしては、この斜方型格子体を選ぶことにしよう。
この2乗体をマテ完(マー)ではさんで積をとると、マテ完(マー)の構造があらわれるというのが上記の主張である。わたしはわたしでたしかめてみるので、諸君らは諸君らでたしかめてほしい。
あたかも原型の形状を記憶しているかのように、もとの姿にもどってしまう。
諸君らの格子体の2乗体も無事、復元できたであろうか?
いや、マテ完(マー)にとっては、この等式ですら窮屈だ。
なんとなれば2乗体という制限をはずしたってかまわない。
信じられぬやもしれぬが、これが〝マテサンドの法〟の真実だ。
あるいは、この等式においてn=1として、
等式としてはこの一つさえあれば十分。
そう、これまでの主張はこの法に尽くされている。
つまり、n乗体というかたちにとらわれず、あらゆる格子体(4×4)において、それをマテ完(マー)でサンドすると、マテ完(マー)の構造が復活、諸君らの言葉を借りるなら、マテ完(マー)のスケイラー(scalar)倍が約束されるということ。
「そんなことがあるものか……」
そう思われるなら、じっさいその目でたしかめてみてほしい。
さきほどの斜方型格子体に再登場を願うなら、
思いがけない光景に驚かれたことと思う。
格子数がすべて0。一見すると、これは法に背いている現象とも考えられやも知れぬが、
さよう、けっして矛盾はしていない。
この特異な現象(0共鳴)はプレーン超格子体の場合にも起こりうる。
マテサンド。
じつに奇妙なるも、絶品の味わいである。