周回の法において周回のリズムをわずかに変えることによって、わたしたちは思わぬ副産物を得ることができた。この2種の対称紋様がそれである。
この2種を一つととらえる見方(一方が一方の回転体であるので)もあるだろが、わたしたちはこれら一つ一つを分別し、考察対象としたい。便宜上、それぞれ命名しておくことにしよう。
つまり、わたしたちがいま見ているのものは、4×4の超格子体を二分するヌボ型対称体、ボヌ型対称体というわけだ。この点に同意を得た上で、すこしづつこれらのオブジェクトに対する理解を深めていくこととしよう。まずは興味深い事実を示したい。これを見てくれたまえ。
一つの超対称体の(Ⅰ)と(Ⅱ)の間でで共鳴が起きていることもさることながら、ヌボ型対称体で起きうることはボヌ超対称体でも起こりうるという事実。ここでは水平方向の2連積がとりあげられているが、なんとなれば垂直方向でもおなじことをためしてみてもいい。
どうだろう。理解に苦しむ、じつに奇妙な現象ではあるが、この程度で驚くのはまだはやい。上記でアーの呼吸が用いられてきたが、これをマーの呼吸に変換するとどうなるだろう。まずはヌボ型から見てゆくこととしよう。
なんと、2連積どころか、3連積までもが共鳴を引き起こす。そして、ボヌ型でも事情は同じだ。
完璧なまでのユニゾン。3連積にはとくに目を奪われる。マーの呼吸のもとでは超対称体の構造は一段と深くなる、そんな印象だ∙∙∙。
なに、垂直方向ではどうなるのか、と? もちろん、忘れてはいない。ヌボ型からやってみることにする。
まさかであり、やはりである。つづいて、ボヌ型。
さて、わたしたちはこれまで連積という行為については多くを3連積までにとどめてきた。なぜというに、それ以上の連積は共鳴力を失わせることが常だからである。いや、このような前フリはどうでもいい。諸君らもなにかを予感していることだろう。いま、この場で、思いきってわたしたちは4連の領域に飛びこむことにする。
まさかである。そして、まさかである。ときとして、イケるという直感は大事である。わたしたちは3連や3乗の次元までで満足してばかりもいられないという教示をも同時に手に入れることができた。とりあえずは、まさかの4連共鳴成功を祝うことにしよう。ちなみにヌボ型では水平方向、ボヌ型では垂直方向のみで共鳴が実現する。それはそれで興味深い事実である。ヌボにとっての水平は、90度回転したボヌにとっての垂直であると解釈できるからである。
いや、だからといって謎がすこしでも減ずるわけではない。むしろ、驚きは止まらない。が、連積はしばらく小休止して、つぎにわたしたちは累乗を見ていくことにしよう。まずはヌボ型から。
注目してもらいたいのは、格子の進行方向である。アーの呼吸を用いる際は、単に全格子の総和と同一視できるため垂直方向を選ぼうと、あるいは水平方向を選ぼうと問題にはならない。しかし、マーの呼吸では方向のとりかたによって結果が異なるので注意が必要だ。動画では垂直方向が採用されているが、水平方向では共鳴は起きないことがたしかめられている。一方、ボヌ型はどうであろうか?
そうなのだ。ボヌ型は垂直方向ではなく、水平方向を選ぶ。じつに対称的な結果だ。ヌボとボヌ。90度回転という変換によってたがいの性質をとりかえる。興味は尽きないが、対称体はこればかりではない。今後とりあげることになる、ハーン型とマーン型。あるいはタリス型とマリス型。わたしたちはじょじょに、これら対称性のミステリーに迫っていくことにしよう。