わたしたちは前章でゲバール(4×4)→ゲバール(8×8)へのサイズアップに成功した。
あらゆるゲバール(n×n)は同一の積表構造を基に生成されていることを考えれば、ゲバール(8×8)よりも小さいサイズのゲバール(1×1)~(7×7)はすべて、より大なるゲバール(8×8)に内包されている。たとえば、ゲバール(4×4)は、
さて、ここでもう一つの格子体を思い出してほしい。
ゲバール(4×4)の同系種族であるゲボー(4×4)である。
そもそも、ゲバールの系とは、このゲボーをなくしては出会えなかった。
ゲボー(4×4)の生成法は一通りではないが、もっともシンプルな方法としては行列の積を使って、
ゲバールとはまた異なった原理でつくられるゲボーではあるが、二つの関係は、
そう、一方は一方のスカラー倍として表現できる。
二つの格子体が義兄弟と見なされる理由がここにある。
なぜ、わざわざこの章でゲボー(4×4)を持ち出したのか?あまり大きな声では言えないが、ゲボー(4×4)はじつに巧妙なやりかたでゲバール(8×8)の中に身を隠しているのだ。
自らを散らすことにって、わたしたちの目を欺く…
よほど目のよい者にしか、気づくことはできまい。
さて、ゲボー(4×4)のバボアン構造についてはあらためて述べるまでもないだろう。ゲボー(4×4)の各格子数はゲバール(4×4)の各格子数×4の関係にあるのであるから、ゲバール(4×4)において発現される相愛力はそのままゲボー(4×4)に引き継がれると考えるのが妥当である。じっさい、ゲボー(4×4)に正負反転柄を衣せた16種類のバージョン。
これらすべてにおいてバボアン格子n乗総和グループ間相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎が約束される。
いや、この事実は、ひとしきり感心して、かんたんに流してしまうわけにはいかない。というのも、わたしたちは、ここでは全景の一部を見ているにすぎないからだ。
どういうことか?
ゲボー(4×4)の散乱16格子をそのままゴソッと一つ上にずらしてみよう。
これらのバラバラの格子を一箇所に寄せ集めて格子体を構成してみる。
考察する上では、できるだけ簡約したい。
すべての格子数が2の倍数であることに気づき、2で割ってみると、
すると、どうしたことだろう。
スリムになった格子体は、前章でわたしたちが戯れにつくってみせたものと同一物。
あのとき、わたしたちが何に驚いたかといえば、
格子体に正負反転柄を衣せた16種類がやはり例外なく相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎を発現させるということだった。
つぎに何をするか?
こんどは、ゲボー(4×4)の散乱16格子を横方向にずらす。
ギュギュッとあつめて格子体(4×4)を構成。
おや、これはさっきのと似ている。それもそのはず、簡約化してみると、
両者は、第一行⇄第一列という変換関係。
バボアンはこのような類の変換を意に介さない。よってここでも発現される相愛力は❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎が約束されるであろう。
と、ここまで一つの傷なく、相愛力オール❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎。
最後のゲバール(8×8)内散乱16格子を見てみよう。
おやおや。
これまで見てきたものとはまた別の構成。
これらの正負反転体に勢揃いしてもらうと、
はたして、バボアンを経由させたときの、これら一つ一つの相愛力の強さがどうなるかというと、
そうなのだ。❶~⓰のあらゆる格子体において、同一の相愛力❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎が発現。ゲバール(8×8)の構造の凄味を見せつけられた思いである。