さて、前章を通過してきた方であればお気づきだろう。相愛力レベル5の相愛数が続々と見つかっている、という衝撃の事実。〈1~n〉完全相愛数左右対称陣などというものが存在していることもさることながら、それを探し当てるという術までも存在しているということに、わたし自身、興奮をかくしれきない。
いったい、それらの相愛数がどのようにして収穫されているか。今回はそれを中心に述べてみたいと考えている。おそらくこの章は遠大な相愛数研究の一里塚ともなる地点であり、慎重にとりかかりたいと思っている。
まず、相愛力レベル5の相愛数の入手法は一通りではないということである。
これは先の章で相愛力レベル4の相愛数を得るために用いたボポリス/ポボトス型である。初見だという方、もう忘れてしまった方は、いま一度、以下の情報を確認なさってから、ふたたびこの場に立ちもどってきてほしい。
ボポリスとポボトス型は、8–8相愛数(L3)であり、その連結体が、16–16相愛数(L4)を生成する。
肝心なことはこの相愛力がレベル3どまりであり、連結することによってレベル強度が1つ上がるということである。その際の連結法はたて方向のみならず、よこ方向でもかまわない。
では、この連結というアイデアを発展させればなにが起こるか? そんな発想が湧きあがったとしてもなんらふしぎではない。これを見ていただこう。
わたしたちが手にしたのは、32–32相愛数。その相愛力はまぎれもなく既出の中では最強度のレベル5。とてつもなく重かった扉が、いま音を立ててゆっくりと動きだした。そんな瞬間に、わたしたちはいま立ち会っているのかもしれない。なんといって、このアイデアは、これ以降も有効である可能性が高いからである。
いや、はやる心をしずめ、ここはじっくり一歩づつ進めてゆこう。上記32–32相愛数は5乗次元まで総和が一致。つまり6乗総和は一致しないということであるが、そこにもだまって通りすぎてゆくわけにはいかない光景がある。
どうだろう。
ここで見ている2乗数生成力は必然なのか? 0を0の2乗数と解釈すれば、1~6乗数総和差分がすべて2乗数となると主張することができるが、いったいそれが何を意味しているのかは皆目わからないが…。
さて、32–32相愛数(L5)の生成法であるが、じつはもっとシンプルな方法がある。ボポリス/ポボトス型がマリス/タリス型の分離型であったことを思い出してほしい。
つまり、上述したことをボポリス/ポボトス型→マリス/タリス型に置き換えても32–32相愛数(L5)の生成は問題なく行われうると予想されるのである。じっさいに、
事態の重大さに気づいていただけただろうか?
32–32相愛数というのは、最低でも32+32=64個の数を必要とする。その64個の数を1~64という自然数ですべてまかなえるという事実。さらなる驚きの要素がここでつけくわえられたのである。
あらためて相愛数の位置に着目したい。
この相愛数タペストリーとでもいうべき紋様はマリス/タリス型とその反転型により編まれている。
この2種のマリス/タリス型ユニットがどのように連結されているかというと、
この配列はしかと目にやきつけておく必要がある。次章でこの驚異のマリス/タリス連結格子体の構造にもう一歩、深く踏みこんでゆくことにする。