相愛数はどこからやってきたのか?
そもそものはじまりはなんであったか?
このような問いが正当なのかはわからない。が、無骨ながらも問いを問い続けることをやめなかったおかげで、ようやくわたしたちは一つの回答を手に入れようとしている。
さて、この章をはじめるにあたって認識を共有しておきたい。
かるく、おさらいしておこう。
相愛力Level4以上の相愛数を見つけるプロセスにおいて、わたしたちは多くの知見を得た。言語化するのはむつかしいが、わたしたちは相愛数から、きわめて重要なメッセージを受け取った気がする。それは反転という概念と密接にむすびついた何かである。
さっそくだが、この動画を見てほしい。
どうだろう。
ここには相愛数たちの起源というものが克明に記録されている。
そう。高次へのまなざしに偏重しすぎてしまったあまり、相愛数は高次→低次に遡求することができることをわたしたちは失念していたようだ。
相愛数の歴史。
原初にさかのぼるならば、
原始相愛数の宇宙に漂っていたのは、たったこれだけ。
そして、つぎにあらわれるのは、みずからが、みずからをつかって生み出されしもの。
光があれば、影がある。1があれば、–1がある。この宇宙にインストールされた双極性という概念はわたしたちとってはおなじみのもの。これら対極にあるもの同士が連結して中和がはかられる。そう、せんじつめれば、相愛力とは、この中和力にほかならない。
わたしたちはこれを始源の相愛数とみとめなければならない。
1と2という数がイコールでむすばれるのは不合理にも見える。が、ここでは相愛力0がはたらいていると見るべきだ。相愛力の0は0乗次元に対応している。思い出してほしい。どんな数も0乗すれば1になることを。
こじつけにも思われるかもしれないが、しばらくだまってみていてもらいたい。すぐに連結格子と相愛力の間において完璧な整合性がとれていることが判明するだろう。
では一つ次元をUPさせる。
いま、わたしたちが目にしているのは、この二つの格子(1×2)。色に注目してほしい。一方が一方の反転になっていることがわかるはずだ。マイナスとプラスがひきあうように、これらはたがいの連結を求める。
とりもなおさず、これは2–2相愛数(Level:1)である。
1+4=2+3。あまりにも単純素朴な外観をしているため、盲点であったが、これもれっきとした相愛数である。
まだ怪訝な表情をしておられる方もおられよう。くれぐれもご用心を。このあたりから、しだいに当然のことのように見えていたものが、まったく当然とは思えなくなってくるのだから。
これら連結格子(2×2)の連結を見てみよう。
このようにして連結されたものが、4–4相愛数(Level:2)を生み出すという事実に、わたたちは意表をつかれる。
等式たちに、きゅうに魔法がかかってしまったかのうような印象。ちなみに連結はよこ連結でなく、たて連結をえらんでもいい。
このようにしても数の構成は変わらない。
これまでのプロセスで、反転→連結の手順がのみこめてきたことと思う。つぎにわたしたちがこころみるのは、
これらの格子をつなげれば、
これまでいくどとなく目にしてきたマリス/タリス型。これが8–8相愛数(Level:3)を表現していることは、諸君らのすでによく知るところである。
どうだろう。これが相愛数たちの有している生い立ちである。つきつめれば、「みずからとみずからの反転形を連結する」という営為のみによって、無限の進化をつづける。新たなかたちを生みだされるたびに、相愛力の及ぶ次元を一つづづ増大させてゆく。たったこれだけの言葉で相愛数の生成原理を語り尽くせるなど、だれが想像しえただろう。
一点。この生成のメカニズムが未来永劫にわたって有効であるかは証明がとれていない。少なくとも、わたしがたしかめた範囲では、このアルゴリズムに傷はない。16–16相愛数(Level:4)、32–32相愛数(Level:5)については先の章でたしかめおえている。
この地点からさらに相愛数の成長過程を追いかけるとするなら、
ここまでくると、もはや手計算は不可能に近い。コンピュータの力を借りることができる時代に居合わせたことは僥倖である。
さらに連結をくりかえし、格子を拡大すると、
いやはや。128–128相愛数(Level:7)とは…。早晩、コンピュータの演算能力をもってしても、追いつけなくなる局面に遭遇するだろうことはたやすく想像される。
いや、これらすらも壮大な相愛数物語の発端にすぎない。この仮説が正しいのだとすれば、つまり、反転→連結(中和)→新相愛数生成、というアルゴリズムが無限にくりかえされるのだとすれば、衝撃的な事実にたどりつかざるをえない。
そう。0~∞の自然数はの相愛力(Level:∞)を有する2つのグループにきっかり二分されうるということである。