超格子体の中で響きわたる数々の共鳴現象に、わたしたちの困惑はマックスに達している。なぜ、そのような現象が起こらねばならないのか、その謎へのアプローチの道はいまだ見つかる気配さえない。
とりあえず、共鳴現象について整理しておこう。まず、4×4の超格子体を8つの格子と8つの格子に等分したとき、その総和と、かつ2乗の総和が等しくなるもの。3乗次元での共鳴は起こらないとして、これらは準対称体とカテゴライズすることにする。では、そのような対称体のパターンははたしていくつあるのか?
わたしが探してみたかぎり以下のものがそうだ。ここに列挙しよう。
●ヌボ型:1乗・2乗総和共鳴
●ボヌ型:1乗・2乗総和共鳴
●ウパウパ/コポコポ型:1乗・2乗総和共鳴
●パウパウ/ポコポコ型:1乗・2乗総和共鳴
●マルー/ラルー型:1乗・2乗総和共鳴
●マーラ/ラーマ型:1乗・2乗総和共鳴
ヌボとボヌ以外は初出の対称体だ。全6種。ここで興味深いのは、ヌボ型とボヌ型が互いの90度回転により交換可能な位置に置かれているということ。
このことはマーラ/ラーガ型やマルー/ラルー型の関係についてもいえる。
そればかりではない。それぞれ別個の対称体同士ではあるが、ウパウパ/コポコポ型とパウパウ/ポコポコ型の間にも回転対称の関係が読み取れる。それぞれ、ウパウパ型はパウパウ型の180度回転体であるし、コポコポ型はポコポコ型の180度回転体である。もちろん、逆も真なりである。
さて、ここまでが準対称体である。忘れてはならないのは、超対称体の存在。そう、1乗、2乗の総和のみならず、3乗の総和まで共鳴するものが数の世界には存在している。マリス/タリス型は対称体の中でも別格なのだ。
●マリス/タリス型:1乗・2乗・3乗総和共鳴
これからもわたしたちは幾度もこのマリス/タリス型の形式に立ち帰ることになるだろう。これこそが4×4の超格子体の中で首領的存在であることはまずまちがいない。
そもそもわたしたちが超格子体というオブジェクトを発見し、その探査に乗り出したのは相思相愛数の存在があったことを、ここで今一度、思い出しておこう。
1~3乗のすべての次元で共鳴が起こるとき、わたしたちはそれを強い相愛力と定義することにしよう。一方、1~2乗の次元のみでの共鳴を弱い相愛力と定義することにする。
これらの定義は相思数についても準用される。つまり、
これら1~3乗の次元で共鳴を強い相思力とし、1~2乗の次元のみでの共鳴を、
このように弱い相思力と定義するのである。
さて、ここでクエスチョン。超格子体の格子たちにとって強い相愛力を持つことと、強い相思力を持つことはどちらが難易度が高いだろうか?
じつのところ、強い相愛力を持つことのほうが、強い相思力を持つよりもはるかにむつかしい。一見、–と+を交互にくりだす相思力の方がよりアクロバティックに、よりテクニカルに映るため、よりレアな現象に見えるがけっしてそうではない。なぜか? じつのところ、8-8相愛数は、8-8相思数から生み出されているのである。どういうことか?
次章で説明しよう。