今回は周回消失力について、新たな方向から洞察をくわえてみたい。ズバリ、消失力の強弱についてである。
まず、わたしたちがよく知るところのこの超格子体。
この超格子体の消失力は1~3連積にも及ぶ、たいへん強力なものである。
さすがにこれを超える消失力を所有する超格子体は存在しないだろう、と思いたくなる。そう、1~3連積のみならず、4連積消失力をもつ超格子体などというものは…。
ほんとにそうお思いか?
さっそく、これを見てもらいたい。
なーんだ。とお思いか?
単純明快。すべての格子が1でうめられている。じつのところ、これも立派な超格子体の一種である。つまり、これまで述べてきたすべての法則の適用範囲内にあるということである。
さて、当面、わたしたちはこれをジ・オール・ワンと呼ぶことにしよう。この超格子体はそのシンプルないでたちから、探求者の目からスルーされがちだ。どうせたいしたことない、と錯覚してしまうのである。
ジ・オール・ワンは問題なく1~3連積の消失を成功させる。
いや、4連積の消失も、かるがると。
そればかりか、ジ・オール・ワンは、これ以降も∞連積に及ぶまで消失力を発揮しつづけるのである。
わかるだろうか? ひとくちに周回消失力といっても、その力の強弱はさまざまである。それゆえ、わたしたちはそれぞれの力を測るうえで、消失力レベルという概念を導入したい。
つまり、1~n連積の消失力をもつものを、消失力レベルnと示すことにするのである。これまで見てきた超格子体、あるいは合成超格子体について述べるなら、
というふうにいえるだろう。ここで確認しておきたいのは、nには入るべきもっとも大きな数が入るということで一意的に決定されるということだ。たとえば、ジ・オール・ワンは3連積の消失力をもつが消失力レベル3を持つという言い方はしない。あくまでジ・オール・ワンは消失力レベル∞を持つのであり、その力の一部として3連積の消失力も含まれているという言い方をするのである。
では、このことを踏まえた上で消失力レベル4というものを考えてみたい。これは1~4連積の消失を成功させ、かつ5連積では消失現象を起こさない、という条件を課せられている。
はたしてそのような超格子体が存在するのか、ぜひ想像してみてほしい。
その答えは次章に持ち越すことにしよう。