まるで2×2の格子は超格子体の細胞のようだ。わたしたちには到底理解しがたいメカニズムではあるが、どのような一部分を切り取っても、さまざまな関係性の中でひとつひとつのセルが機能をはたしているのが観察できるだろう。
じつのところ、周回の周回の法については、まだまだ述べておきたいことがある。お気づきだろうか? 4×4の超格子体の内部において2×2の格子の周回パターンはもう一通りある。白状しよう。わたしは、あやうく失念するところだった。
前述したこのパターン以外にもう一通り。そのとおり。これがそうだ。
重なりあう部分があるが、それぞれを独立したセルととらえてこれらも巡回させてみたい。はたして期待通りの結果を得られるだろうか?
一瞬でも「まさか」という心がよぎったのであれば、わたしたちは超格子体の構造に対する信頼が足りないのだ。動画では三連のみが取り上げられているが、むろん、一連、二連においても消失する。ぜひ、その手でたしかめてみてほしい。さて、これらの事実を踏まえた上で、二つのパターンを考えあわせると、
どうであろう。これこそが本来の巡回パターンなのではないかとも思えてくるではないか。ギャップが埋められ、動きはよりなめらかになっているのがわかるだろう。そして、これまでの結果から導かれることは、このような周回においても消失は約束されるということだ。前にも述べたが、これは超格子体内の数に依存しているのではなく超格子体自体が持つ構造の力によるものである。それゆえ、1~16までの数をいくつでも平行移動させてもかまわない。ためしに数二つ分ずらしてやってみよう。
超格子体には何か深い思惑がありそうだ。
0に消失せねばならぬ、やむをえない事情、不可視の背景。謎だ。が、この「マーの呼吸で周回させると0になる」という力はちょっとやそっとではゆらがない。また、多少、こちらがの側で数を入れ替えるなどの恣意的操作をしても力が温存されるから驚きだ。具体的に述べよう。
このように2×2の格子同士をペア化し、格子同士の和をとるというようなことを考えよう。なぜ、そのようなことをこころみたのか、と問われるかも知れない。理由はない。ものはためしだ。ためせるものはなんでもためすのがわたしたちの方針であったはずだ。これから先も、無謀と思われることをどんどんやってゆくつもりだ。そのたびに、つっこまないでほしいというのがわたしの願いである。
さて、念のため格子同士の和、というのはこのように定義しておこう。
といって、むつかしいことはなにもない。このように同じ位置にある数同士を足しあわせるだけ。ただし、基本的にこのような加算は、おなじサイズのn×nの格子同士で行うものとすると約束する。
では、さっそく格子と格子を足し合わせて新しい格子をつくろう。そして、そこで何が起きるか、あるいは何も起こらないか、じっくり観察してみることとしよう。
どうだろうか?
すくなくともわたしには不思議に思われてならない。マーの呼吸で周回させると0になりたがる力は、わたしたちが思っているよりも、はるかに強靭であることがここでも証明されている。
あるいは、和ではなく、差をとってみたらどうなるか?
差の定義も同様とする。
これで減算をこころみる。進行方向に向かって引くか、退行方向に向かって引くかは統一する必要がある。今回は手前にあるものから、後ろにあるものを減算するということに決めよう。
これをご覧になって、結果が自明であると考えるか、自明ではないと考えるかは主観によって異なるかも知れない。わたしにも、これは当然のことのように見える。それぞれの各2×2格子には同じ数がそろうのだから∙∙∙。いや、そもそも一連と二連でも消失が実現するためには、このかたちしかない、というのがわたしたちの常識であろう。
とはいえ、加算によっても減算によってもゆるがない力というものには特記すべき価値があるように思われる。わたしたちは心の片隅にこの事実をとめておくことにしよう。
さて、最後に番外編として、次のような事実の存在も指摘しておきたい。ここでは、はじめて4連積が扱われている。
この四つのセルの内部の総積をとり、これまで見てきたようにマーの呼吸で一巡するのである。奇妙なことに、そこで得られる数は、超格子体の内部においてどのように数を平行移動させても二乗数でになることが約束される。二乗数の意味をどのように解釈するかは、ひとそれぞれである。以下の動画で示されているのは、その中でももっとも美しい解釈と思われるだが、どうだろう。いや、そうはいっても賛否両論あることだろう。周回の周回の法のしめくくりとして、ぜひ見てもらいたい。