周回の周回の法がシャーンという演算においても不変のちからを保つという事実も述べておかねばなるまいだろう。そのまえに、シャーンとはなにかということを説明しておく必要がある。
これを参考にしてほしい。
なにもむつかしいことはない。階段を昇ってゆくように、あるいは階段を下ってゆくように連続する自然数で積(のちにシャーンという概念はあらゆる数列を対象に拡張されることになるがここではふれないでおく)をつくる。それだけである。
この演算の概念を念頭において、つぎの動画を見てもらうことにしよう。これが自明に感ぜられるか、それとも奇異に感ぜられるか、ぜひ、感想を聞かせていただきたい。
ここでは4×4超格子体の中で、各格子たちは周回しながら上昇シャーン(3)を行なっている。これまで周回の周回の法では2~3乗、そして2~3連積を見てきたが、ここにまた新しいパパーンのお目見えである。
忘れてはならない。シャーンには上昇と下降の二種がある。
下降シャーンはどうなるか、こちらもたしかめてみることにする。
ここでもすべてはきれいに0に還流される。ほめたたえられるべきは、4×4超格子体なのか。いやいやそうではない。3×3超格子体の内部でもこの法則は適用される。まずは上昇シャーン。
そしてこれが下降シャーン。
ここまでくると、たんなる偶然と片づけることはできまい。ちなみにここまで見てきたことは連続2数、つまりシャーン(2)においても0が実現される。となると周回の周回の法が、これほどまでに強力に実現されねばならない必然性、それに対する明快な解答を、わたしたちはどうしても知りたくなる。
さて。
ここまで、シャーンを連続する3つの自然数の連続積、つまりシャーン(3)までに限定してきたが、シャーン(4)以降はどうなるのだろう、という疑問が当然のことながら湧きあがってくる。残念ながら、消失現象を引き起こすのはシャーン(1)~(3)までにおいてである。
ところが、だ。
ここに一つの奇妙な事実がある。シャーン(4)の上昇シャーンと下降シャーンをある方法で組み合わせると、おどろくべきことに∙∙∙
なぜ、このようなことが起こりえるのか?
念のため、記しておくことにするが、周回の周回の法において4乗と上昇/下降シャーン(4)は超格子体が以下のようなかたちをしているかぎり、定数1536になることが約束される。
定数1536とはなにかと問われても答えに窮する。
ただこの数を素因数分解すると29×3というふうにひじょうに細かく砕けるということだけは強調しておこう。超格子体から生まれる数は概して素因数分解すると興味深い現象を引き起こす。このケースもまさにその一つだ。
もはや超格子体に対する謎とともにシャーンという演算への謎もよりいっそう深まってきている。はたして、シャーンとは∙∙∙。それはたんなる数を使ったお遊戯なのか? わからない。わたしたちはシャーンという演算に、わたしたちの知らない隠れた意味があることと、いつか対面するようになるかもしれない。いまの段階では多くを語ることはできないが、別の機会に相愛数とシャーンとの関係についても述べてみることにしたい。